おせちといえば伊達巻き、黒豆に昆布巻き。正直おいしいものではなく、日本の風習だからなんとなくお正月に食べるもの、というイメージだった私。しかし結婚して初めて迎えた年末年始に義実家でおせちを食べてからおせちの概念が覆りました。
おせちはお祝い料理? 保存食?
突然ですが皆さんは「おせち」お好きですか? 日本のおせちといえば、かまぼこ、伊達巻き、黒豆、栗きんとん、昆布巻、数の子、えびなどですよね。それぞれの食材や料理に意味や願いが込められたお祝い料理。その一方で正月から台所を賑わせてはいけないと、料理をせずに三ヶ日にいつでも食べられる保存食としての役割もあるといわれています。 味付けが濃かったり、酸っぱかったり、極端に甘かったり。正直おせちはただの保存食。「あんまりおいしくない」というのが私のイメージでした。
初めての帰省、義実家のおせちに衝撃!
結婚して初めてのお正月、義実家に帰省していた私は朝食の食卓を見てびっくり。テーブルに乗り切らないほどのおせちのお重箱が並んでいたのです。 「お正月くらいはお正月らくしなきゃね〜!」と義母。 市販の高級そうな重箱に少し驚きながらも、おせちが特別好きではなかった私は、「何日間おせちを食べ続けるんだろう…」と暗い気持ちになったことを今でも覚えています。 義家族の家では毎年お正月に大きなおせちを買い、年始の数日に渡って食べることが当たり前だったようです。そしてお重箱を開けてさらに衝撃を受けることになりました。 お重箱を開けてみると、定番のいわゆる「日本のおせち」にはない洋風のラインナップが並んでいたのです! お刺身のカルパッチョやグラタン、ローストビーフやテリーヌ…。 見た目もきらびやかで、フレンチコースのようでした。フランス料理はなかなか家庭では作ることも無いので、主婦にとってはより一層嬉しく感じます。また、食べてみるとこれまた絶品。デザートのミルク餅やガトーショコラを食べるころには、洋風おせちの虜になっていました。 いつも食事の準備に忙しそうな義母も、「お口に合ってよかった!」と一緒に食卓を囲んで嬉しそうに笑っていました。 帰省の帰り道、夫に「おせちおいしかったね!」と言うと、「そりゃおせちはおいしいだろ。」と言われてハッとしました。 私が「おせちはおいしくない」というイメージを持っていたのは、おいしいおせちを食べていなかったことが原因で、毎年おいしいおせちを食べていた夫は「おせちはおいしもの」として認識していたので、イメージに差があったようです。 保存食としての面も持つおせちですが、新年のお祝いとしてのご馳走でもあるおせち。 「おいしくない」というイメージを持っていたこと自体がもったいないことだったのだと気付かされました。
子どもができてから改めて感じる、おせちのありがたみ
初めての義実家への帰省から何年か経ち、子どもが産まれてからも洋風おせちは大活躍しています。酢の味や甘みの強いものが多い和風のおせちは、子どもたちもあまり進んで食べてくれませんが、豪華な料理の他に、馴染みのある味のトマト煮やパイも入っている洋風のおせちは好んで食べてくれるのです。 毎年お正月は義実家に帰省していますが、毎年変わらず義実家では子どもたちが好きな洋風おせちを毎年用意してくれています。 最近では洋風おせちもとても主流になってきて手軽に手に入れられるようになってきているようです。今年はコロナで帰省や旅行もしづらく家で新年を迎える家庭も多いことでしょう。 自粛ムードで贅沢もなかなかできない今だからこそ、年に1度のお正月、おいしいおせちを食べるのも楽しみになるのでは? 普段とは一風変わった洋風おせち、本当におすすめです! (ファンファン福岡公式ライター/ゆなちん)