第一子を出産後、育休を経て職場復帰を迎えた頃の話です。「ワンオペ育児は大変」と周りから聞いてはいたものの、どうにかなるだろう! と私は呑気に構えていました。しかし、現実は仕事との両立がうまくいかず、落ち込んでばかりの毎日。そんな私を救ってくれたのは、先輩ママの言葉でした。
2年ぶりの職場復帰
育休から復帰してワーママとしての生活がスタート。私は、仕事と育児を両立させて、プライベートも充実させるんだ! と意気込んでいました。
2年ぶりの職場復帰に多少の不安もありました。しかし息子と離れ仕事に没頭できる時間ができたことで、メリハリがある充実した生活に。周囲の協力もあり、始めは「ワンオペでも、私うまくやれてるんじゃない?」と思い込んでいました。しかし、そんな状況は長くは続きません。
1カ月が経った頃、待っていたのは予想外の出来事ばかり。接客業なので残業が増え、私の疲れもピークに。主人の帰りは21時以降で誰にも頼ることが出来ず、ワンオペ育児の大変さを身に染みて感じていました。
当時2歳でイヤイヤ期に突入した息子に邪魔されながらの夕飯作り、溜まる洗濯物、家は散らかりっぱなしで、全てが思い通りにいきませんでした。イライラして息子をつい怒ってしまう… の繰り返し。怒られた息子は、いつも泣いていました。
「こんなはずじゃなかった、周りのママはもっと上手にやっているのに、何で自分には出来ないんだろう」と自己嫌悪の日々でした。
先輩ママからの救いの言葉
そんな毎日を過ごす中、昼休みに私は職場の先輩ママについつい弱音を吐いてしまったのです 。
「こんなに怒ってばかりで息子に申し訳ない。自分の不甲斐なさが情けない」と。
すると、先輩ママは私の話を全部聞いた後に
「よく、やってるじゃん! あなたが一番、頑張ってるよ」と優しい表情で言葉をかけ、私を褒めてくれたのです 。私は、この言葉を聞いた時、何かが吹っ切れたかのように、涙が止まりませんでした。
「あなたが一番、頑張ってる」と誰かに認めて貰えたのは息子を産んで以来、初めてだったのです。そして先輩は
「あなたの頑張りを一番理解しているのは、息子くんのはず。失敗続きの自分を責めるより、頑張ってる自分を認めて、もっと自分を褒めるべき!」と慰めてくれました。
先輩ママの辛い体験
この先輩ママは男の子3人を育てているベテランママで、1人目の育休復帰後は、私と同じ負のループにハマったそうです。辛くてしょうがなかった時、ふと「減点方式の育児はやめて、加点方式の育児にしよう」と気持ちを切り替えたのだとか。
「また息子を怒ってしまった、まだ家事が終わってない」と出来ていないことに目を向けるのではなく、「息子がちゃんとご飯を食べた、夫の食事も準備ができた」と自分を褒める機会を増やしていったそうです。
私もその話を聞いて以来、とにかく自分を褒めることにしました。「今日も息子が元気だから100点!」「仕事を定時に上がれたから200点!」など、甘々な採点方法を導入したのです。
はじめは、「こんなのでいいのかな?」と思いました。しかし、出来たことに自然と目が向くようになり、イライラすることも減っていったのです。自分と息子のことをとても大事に出来るようになっていきました。
それ以来、家事も育児も上手に「手抜き」できるようになり、自然と事がうまく進むように。ワンオペ育児で頑張っているからこそ、出来たことに目を向けて、自分で自分を大事にしようと意識できた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター / kashiwagihahiira)