嫁姑問題なんて無縁だと思っていました。でも「はじめまして」の挨拶をしただけで嫌われた私。姑に話しかけてもそっけない態度をとられ、私の存在はないようなもの。20歳だった私に、姑は耐えがたい恐怖の存在でした。そんな姑と家族になるため、夫にある結婚の条件を出したのです。
はじめましてのご挨拶
夫と結婚する前、実家暮らしだった夫の家に初めて誘われました。「手土産は? 洋服は? どんなあいさつをしよう」と徹底的に調べた私。
そして、ついに訪問当日。家には姑だけで舅は仕事で留守とのこと。「事前に教えてよ!」と思いながらも、ひとまず挨拶です。
「はじめまして。夫さんとお付き合いさせていただいております〇〇です。(微笑む)」よし、完璧! 姑は
「はい、よろしく」少しつめたい感じでしたが、私の中で1つ目のミッションはクリア。
挨拶を終えるとコタツのある部屋に案内され、美味しいと評判の手土産を渡します。姑は受け取り一言。
「甘いもの食べんのよね。はいはい、ありがとう」あまりの冷たい返事に私は凍り付きました。渡したお菓子はそのまま床に置かれます…。
オドオドした夫をよそに食事が始まりました。コタツの上には鍋。もちろん緊張とショックで箸はすすみません。姑に
「なんね、全然食べんね」と冷たく言われます。夫も一生懸命フォローしてくれますが、私はもう泣きそう。なんとかやり過ごし、帰路につきました。
帰宅後、夫は電話で
「本当にごめんね」と何度も謝っていました。
意地悪な姑と家族になるための条件
その後、めげずに何度か遊びに行きましたが、その度に姑はそっけなく、夫と笑顔で話すばかりです。でも優しい夫とは順調にお付き合いが続き、結婚することになりました。
そこで結婚には「何があっても姑でなく私の味方をすること」という条件をだしました。
その時、夫から衝撃的な話を聞きます。私が初めて訪問をした日、夫は姑の態度を見て、かなり激しく怒りを伝えたそうです。それなのに全くめげていなかった姑…。“姑最強説”が浮上し、これからの結婚生活に不安を覚えます。
しかし結婚に反対されることはなく、結婚式から半年ほどで妊娠。
「女の子がいい」と懇願する舅をよそに、姑は
「母子ともに健康ならどっちでもいいんよ」と私のお腹を撫でながら言ってくれて、初めていい人に思えた瞬間でした。
「孫はかすがい」
娘の誕生後、初孫フィーバーで産後翌日の病室に3時間居座る姑。退院後は、週1でわが家に突撃訪問してくれました…。さすがに、つらくて夫に訴えると
「家にいるからって暇じゃないんだよ。あんま来るな!」とバッサリ言ってくれ、姑はパタリと来なくなりました。
1カ月が経つ頃、さすがにかわいそうだと思い、娘の写真をメールで送ってみました。すると「夫より私と仲良くしたほうが孫に会える!」と思ったのか、その頃から普通に接してくれるようになりました。
その後も娘をとても可愛がってくれる姑。孫トークで盛り上がり、少しずつ仲良くなることができました。
今ではタメ口で話す仲です。姑はサバサバした小さいことを気にしない性格なのだと気づき、私も「どうにでもなれ!」と言いたいことを言うように。すると、さらに仲良くなり娘と姑と3人でランチに行くこともあります。
なぜあんなに冷たかったのかは聞いていません。夫も
「訳わからんほど酷かったよね」と言います。結婚して10年。今も揉めることはありますが、その時は夫が間に入って解決してくれます。あの結婚の条件は永遠に有効です!
(ファンファン福岡公式ライター / ユズキ)