巨匠のサインが遺る「レガシーピアノ」 未来へつなぐプロジェクト始動

 「レガシーピアノ保存プロジェクト」が7月29日からスタート。同プロジェクトは、20世紀のクラシック音楽の巨匠たちが直筆サインを寄せた1台のコンサートグランドピアノを、所有する福岡市の全面協力のもと修復し、次世代につないでいく取り組みです。修復と活用の総事業費は全て寄付でまかなう予定です。

レガシーピアノ保存プロジェクト実行委員会のメンバー
左から柴田建哉、吉田宏幸、田中美江、倉富純男の各氏
中央は応援に駆けつけてくれたピアニスト仲道郁代さん
目次

貴重な「レガシーピアノ」を後世へ 一部サインを公開

「レガシーピアノ」こと、「ハンブルグ・スタインウェイD型 1963年製」

 「レガシーピアノ」は、1963年製ハンブルグ・スタインウェイ社のもの。60年前に福岡市民会館(福岡市中央区)へ納められ、数多くのアーティストの公演に使用されていました。現在は老朽化により、福岡サンパレスホテル&ホール(同市博多区)へ移され、保管されています。※ピアノは7月29日以降に、埼玉県の修復修理工房へ移されました

世界的巨匠たちの直筆サイン

 ピアノの内部(フレーム)には、1964~2006年までに世界から名演奏家が来演した際に記された直筆サインがそのままに。ルビンシュタインやケンプ、ギレリス、エッシェンバッハといったピアニストだけでなく、チェリストやフルーティスト、ソプラノ歌手などの計38人ものサインが遺されています。

 「レガシーピアノ保存プロジェクト」は、世界的巨匠たちがサインを遺したピアノを修復し、音楽の文化遺産として次の世代につないでいきます。修復期間を含めた約1年半後には、福岡市民会館でお披露目コンサートを実施予定。その後、福岡市美術館(同区)へ収蔵され、展示や演奏に活用される予定です。

修復の際、サインはコーティングされるそう

 修復と活用の総事業費には約1,800万円が見込まれるとか。全額を寄付でまかない、クラウドファンディングでは、そのうち1,000万円を目標に寄付を募っています。

 支援者には、修復後のお披露目コンサートへ招待するプランのほか、巨匠たちのサインをモチーフにした限定グッズなどを返礼品として用意。詳しいコースや支援額は以下から確認ください。

「レガシーピアノ保存プロジェクト」クラウドファンディング

募集開始:7月29日
募集期間:7月29日~10月31日(月)※95日間
目標金額:1,000万円
コース:3,000円のソナチネコースから、寄付型の全力応援コースまで
返礼品:ピアノ修復完成お披露目コンサート(2023年10月開催予定)への招待やレガシーピアノ・オリジナルグッズ、1日フリー演奏権利など

問い合わせ:レガシーピアノ保存プロジェクト実行委員会事務局(西日本新聞イベントサービス内)
電話番号:092-711-5491
Eメール:legacy-piano@nishinippon-event.co.jp

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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