入学式の後悔… 中学受験の失敗は10年間引きずる?!

 期待に胸膨らませて出席するはずの入学式に心から喜べず、入学式の写真の中の私達親子は浮かない顔。いま思えば、もっと心から祝福してあげればよかった…。希望の中学に入学出来なかったことよりも、あの日を笑顔で迎えられなかったことを、桜がほころぶ入学式シーズンを迎えるたび、甘酸っぱい気持ちで思い返します。

目次

受験の失敗は10年引きずる?!

出典:写真AC

 算数が大好きだった長男は、小学校3年生から、自分の希望で大手進学塾に通い始めました。
 子どもの心を掴んでやる気にさせる、進学塾の先生の巧みな話術と、中学受験に前向きだった長男の気持ちが合致したからか、入塾早々トップクラスの成績を取るように。5年生の進路相談では、日本でトップと言われる中学を目指すことになりました。

 元々は習い事の延長のような軽い気持ちで始めた勉強だったのに、こうなると塾の先生方の力の入れようも変わってきます。親も平日深夜の送り迎えに加え、土日も朝から模試や特別講習の送り迎え、保護者会での情報収集…。といつの間にか受験モードに巻き込まれていきました。

 本人は大好きな算数の問題が解けることを楽しみながら塾に通っていたので、受験勉強に追い詰められるということはなく、振り返れば比較的恵まれた受験生活だったと思います。

 ところが蓋を開けてみると、第一希望だった中学の入試当日、緊張してガチガチだった長男は得意だったはずの算数でミスを連発。結果は、不合格でした。

 それまで順調だっただけに、本人はすっかり第一希望の中学に行くつもりになっており、普段おっとりしている長男が、別人のように落ち込んでしまいました。

 けれどそれ以上にがっかりしたのは、多分私の方だったのだと思います。同じ中学を受験し、やはり不合格になった方のお母様とお話した時、その方も相当がっかりしていて、
 「中学受験の失敗は、10年は引きずるって聞いたわ…」と大きなため息。

晴れやかな日を、もっと喜んであげれば良かった…

出典:写真AC

 受験した他の2校には無事合格したので、第2希望だった中学校に入学することになりました。
 長男が入学した中学も、伝統のあるとても立派な学校なのに、第一希望への未練が大きかったため、気がつくと家族の気持ちは後ろ向きになっていました。

 今から考えると、「何て視野が狭くなっていたんだろう?」と我ながら呆れます。塾で偏差値やら順位などで競争、競争と煽られて、知らぬ間に洗脳されていたのですね。

 そんなことでくよくよするより、新しい中学での息子の門出をもっと心から喜んで上げれば良かったと思います。
 だって、その後の息子の中高生活は、本当に恵まれていたと思うから…。個性的な友人たちとの悪戯の数々と、それを内心微笑ましく思いながら顔には出さず、彼らをしっかり導いて下さった先生方。

 「10年は引きずる?」いえいえ、そんなことはありませんでした。私よりも先に、自分の中学が大好きになった息子。  もしも、同じように、目標の学校に落ちてしまった…と、ガッカリしている親御さんがいらしたら、どうか私のような後悔をしないために、お子さんの入学式を心から祝福してあげて欲しい、と思います。

 中学受験で必死になっていた方ほど難しいとは思いますが、わが子の頑張りを、大きな視野で見守って、晴れやかな一歩を踏み出せたら…。あの日の私へアドバイスしてあげたいな、と思っています。

(ファンファン福岡公式ライター/Kitakitune)

あわせて読みたい
【中学受験】一番大切な親の役割とは? ママ友の行動から学んだこと  息子は小学4年生から塾に通っていて、5年生になると中学受験がしたいと言うようになりました。本人が望むなら、と現在は中学受験科がある集団塾に通っています。学校での息子のキャラは、お笑い担当でいつもふざけているイメージ。そんな息子が、とある人物に目を付けられて大変なことに…。
あわせて読みたい
中学生になりたくない!?小5の娘が中1ギャップ 「学びの手引」が裏目に みなさんは「中1ギャップ」という言葉をご存じでしょうか。小学校と中学校では学習内容や環境が大きく変わるため、うまく対応できない子どもが多いのだそうです。その対...
あわせて読みたい
入学式「ランドセルはいりません」って書いてあったのに~! 入学式の失敗談 小学校の入学式って何か特別なものがありますよね。初めての入学式は親も子も緊張します。中には「入学のしおり」だけでは分からないことだってあるんです。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次