運動会でルールを破る迷惑ママ! 園長先生が放った言葉とは?

保育園の運動会といえば、子どもたちの頑張りを見ることができる貴重な機会。親にとっては、ベストポジションでその姿を見届けたいものです。とはいえ、観覧にはきちんとしたルールがあります。これは、ルールを破る迷惑ママを、園長先生が見事に撃退したお話です。

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堂々とルールを破る迷惑ママ!

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 1年に1度の運動会。この日の為に、子どもたちはたくさんの練習を重ねます。子どもたちが運動会への気持ちが高まるのと同様に、私たち保護者もまた、わが子の今しかないその瞬間を目に焼き付けたいと気持ちが高まっていくものです。

 運動会の数日前。保育園から、当日のタイムスケジュールと観覧場所の案内が配布されました。
 「当日は多くの種目を予定しているため、自身の子どもの出場種目以外は、観覧エリアの場所取りはお控え下さい」という内容でした。

 もちろん、場所取りでテントやシートを張るなんてもってのほか。スムーズな運営のために、私たち保護者にも協力を求めるものでした。

 しかし当日。先生が慌ただしく準備をしている中、場所取りを禁止された観覧エリアで堂々とテントを広げる保護者の姿が…。年長クラスに子どもを持つKママでした。

 Kママは毎日の送迎時も、保育園の玄関前でダラダラと立ち話をしていて、ある意味で悪目立ちをしてしまっているママでした。
 「あのエリアは場所取り禁止のはずでは?」と私を含め、周囲のママたちも困惑しつつ、Kママにはハッキリ言えない雰囲気。

 せっかくの運動会だというのに、気持ちよくスタートできないな… と誰もがモヤモヤとしていました。当のKママはそんな空気を気にも留めず、しっかりと観覧場所をキープしたままでした。

迷惑ママに園長先生からドキッとする言葉

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 「このまま、運動会が始まってしまうのか…」と思っていたその時です。園長先生がマイクでアナウンスを始めました。
 
 「本日は、運動会にご参加頂きありがとうございます。観覧エリアについてのお願いです。今日は子どもたちの頑張る姿を、全てのお父さんお母さんの目に焼き付けて頂きたいと思っています。その為には、保護者の方々の譲り合いやご協力が必要です。
 子どもたちはお父さんお母さんの姿を見ています。どうぞ、譲り合いの心で運動会を楽しんで頂けたらと思います」とお話がありました。

 園長先生はとても優しい口調で語りかけるようにお話されていましたが、その瞬間、会場が一瞬だけシーンとなり、多くの保護者の視線がKママに注がれたのです。

 そのアナウンスは明らかに迷惑なKママに向けられたもの。これには、Kママも気まずくなってしまったのか、すぐに広げていたテントを畳んで移動を始めていました。

園長先生の見事なアナウンス

 こうして無事に観覧エリアが開放され、どの保護者も気持ちよく運動会を見届けることができました。子どもたちも練習の成果を存分に発揮し、大盛り上がりの1日となりました。

 それにしても園長先生のアナウンスは見事でした。
 Kママを名指しすれば、子どもの手前、恥ずかしい思いをしてしまいます。かといって、注意をしなければ他の保護者の迷惑にもなってしまう…。そこで園長先生はあえて、全ての保護者に協力を求める形をとり、子どもたちの手本になって欲しいとお願いすることで、Kママへの注意を促したのでした。

 迷惑ママとはいえ、子どもを思う気持ちは一緒です。「子どものお手本でありたい、自慢の親でありたい」という気持ちを汲んで、それを上手に利用した園長先生の言葉はさすがだな、と感心した出来事でした。

(ファンファン福岡公式ライター / kashiwagihahiira)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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