西九州新幹線「かもめ」が、いよいよ9月23日(金・祝)に開業します。それに先駆けて九州でも有数の温泉地、佐賀県嬉野市には新幹線駅「嬉野温泉駅」が完成し、道の駅や観光・交流施設、公園などが整備された「うれしの まるく」(同市嬉野町)が誕生しました。美肌の湯として全国にその名を知られる嬉野温泉のスタートポイントに広がる、新たな拠点を紹介します。
博多駅―長崎駅が約1時間20分。武雄温泉駅で乗り換え
西九州新幹線「かもめ」の区間は、武雄温泉駅(佐賀県武雄市)―長崎駅(長崎市)間を結ぶ約66km。嬉野温泉駅(佐賀県嬉野市)、新大村駅(長崎県大村市)、諫早駅(長崎県諫早市)が新設されました。
福岡市の博多駅から長崎駅までは、これまで特急電車で約2時間かかっていたのが、30分短縮の約1時間20分で移動できるようになります。武雄温泉駅で新幹線と在来線・特急を同じホームで乗り換える「対面乗換方式」が採用されています。
新設・嬉野温泉駅まで約60分 気軽に行きたい嬉野温泉
西九州新幹線開業に伴い、約100年ぶりに鉄道が復活する嬉野温泉駅。嬉野温泉のエリアへは、これまで高速バスなど車での移動手段しかなく、福岡市内からは約2時間かかっていましたが、博多駅―嬉野温泉駅間はなんと約60分に。アクセスが便利になることで、一層身近なエリアになります。
嬉野温泉駅の駅舎は、「湯どころの趣のある駅」をコンセプトに温泉宿の和のテイストが取り入れられています。屋根は、嬉野の山並みをイメージした大きな三角形。内装は、白磁に藍色の肥前吉田焼のデザインタイル壁画があり、ヒノキの天然木がふんだんに使用されています。
癒やし&観光「うれしの まるく」誕生
嬉野温泉駅前に、道の駅、観光案内所や公園などを集積した広場「うれしの まるく」が誕生しました。この名前には、人を癒やしで「丸く」「円く」し、「市場(ドイツ語marktマルクト)」の機能も兼ね備えた「癒やしの玄関口」として大きな「輪」をつくり出していくという意味が込められています。
敷地内には「まるくアイズ」という観光交流施設が同時オープン。嬉野エリアを拠点とした旅の情報がそろう案内所です。特産品の展示PRコーナーもあり、テーマごとにさまざまな展示内容が楽しめます。落ち着いた雰囲気の広々とした空間なので、つい長居してしまうかもしれません。
11月上旬には、雑誌などでも取り上げられるチーズづくりで有名なナカシマファーム(塩田町)が展開するカフェ「MILKBREW COFFEE」(ミルクブリューコーヒー)を中心に、テイクアウト可能な食品やドリンク、地元の新鮮野菜や畜産物などを販売する複合施設「UPLIFT」(アップリフト)がオープンする予定です。
さらに2023年夏ごろには、世界的ホテルチェーンのマリオットインターナショナルと積水ハウスによる宿泊特化型のホテル、「フェアフィールド・バイ・マリオット嬉野(仮称)」のオープンが予定されているので楽しみです。
うれしのまるく一帯は、無料のWi-Fiを完備しているので、旅行中に通信が増えても安心。足湯や手湯が設置されているので、たくさん歩いた後にほっと一息つくこともできます。
今後、レストランやレンタカーショップ、バーベキュースペースなどもオープンする予定。だんだんと心が丸くなっていくような、嬉野らしい“癒やし”を感じることができる場所として、にぎわっていきそうです。
温泉、お茶、焼き物も! 遊びどころ満載な嬉野へ
嬉野市には、「嬉野温泉」のほか、お土産にぴったりな物産も多彩。「うれしの茶」「肥前吉田焼」は、その代表選手です。レトロな建物が並ぶ町並みを歩き、ロマンチックな思い出の時間が過ごすのもおすすめです。
■嬉野温泉
1300年の歴史があり、「美肌の湯」として知られています。泉質はナトリウムを多く含む重曹泉でアルカリ性。肌表面の余分な角質を分解して皮膚を滑らかにするため、湯上がりはまるで一皮むけたかのようにツルツルスベスベに!
■嬉野温泉湯どうふ
弱アルカリ泉の嬉野温泉水を使う湯どうふ。とろりとろけた豆腐は、何とも言えぬ食感。嬉野の温泉水は胃腸にも良いとされ、体の中からの美肌効果も期待できます。
■豊玉姫神社
嬉野温泉街にある豊玉姫神社は、美肌の神様として親しまれています。境内の「白なまずさま」に美肌を願いながら水をかけると、ご利益があるとか?!
■うれしの茶
日本茶の中では珍しい、独特の丸みを帯びた形状をしているので「玉緑茶」とも呼ばれます。急須の中でゆっくりと開きながら抽出すると、香りやうまみが強いのが特徴です。
■肥前吉田焼
400年の歴史を誇り、特に決まった様式がないのが特徴。昭和レトロを感じる水玉模様の急須や湯呑が代表的ですが、伝統を守りながら新しいかたちにも挑戦しています。
提供:嬉野市