美しき香りローズ・オットー~緑のアロマ部屋vol.31

こんにちは、看護師・アロマセラピスト 緑です。 最近、郵便ポストに、ハウステンボスのバラ祭のパンフレットが入っていました。

1000品種の111万本のバラ! どなたか行かれましたでしょうか? 私も来年こそは行きたいです。

出典:ファンファン福岡

柳川の病院内でも、いろいろな品種のバラが生けてあります。 理事長がご自宅で育てているバラだそうです。 名前を教えてもらったのに、すぐ忘れちゃいます。。 お裾分けに感謝です。   それぞれ香りがちがうので、つい鼻を近づけてしまいます。 クンクン。はーいい香り~。 (その姿は若干怪しく、何度か他部署のスタッフに目撃されてしまいました。。)   そんなわけで、今回はローズの精油をご紹介します!

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お花屋さんでも、なかなかのお値段のローズさん(思わず「さん」付け) 精油になると、とっても高価で、もはやローズ様!と呼びたくなります。   水蒸気蒸留法でローズの花から抽出されるものを、ローズ・オットーと呼びます。 「オットー」とはトルコ語で水という意味らしいです。   メーカーによって異なりますが、 1kgの精油を抽出するのに、約3~5tものバラの花を使用します。 ローズ・オットーの精油1滴に、約50~150本程の花びらが必要な計算!   ブルガリアやトルコが有名な産地です。 最もオイルの含有量が高くなる早朝に花を摘み取り、すぐに水蒸気蒸留にかけられます。   そうして完成した精油は、美しく高級感あふれるエレガントな香りがします。 天然の精油のお値段は、1ミリ(約20滴)で4000~8000円程。。 合成の香りとはずいぶんと違うので、ぜひアロマショップで一度嗅がせてもらってください。 香水や、石鹸、化粧水にもよく使われるローズ。 古くから女性も男性もを魅了してきた歴史があります。

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ローズは「精油の女王」と呼ばれており、健康・美・若さの象徴とされてきました。   クレオパトラがこよなく愛したことでも有名ですね。 薔薇風呂はクレオパトラの代名詞と言われるほど。 シーザーやアントニウスを宮殿へ招く時には、廊下に薔薇の花びらを敷き詰めたそうです。   ローズの香りは、女性本来の魅力を高め、異性を惹きつけ魅了するのだとか。 彼女はローズを武器にして、ローマの権力者を虜にしたと伝えられています。   ローズは、鎮静効果が高く、ストレスや緊張を緩和し、気持ちを明るく高揚させてくれます。 悲嘆・嫉妬・恨み・落ち込みなど、あらゆるネガティブな感情を和らげると考えられています。 挫折による自信の喪失などの場合にも、ローズオットーの美しい香りが、優しく包み込んで支えてくれるでしょう。

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肌のきめを整え、はりを保ち、炎症を抑えるなどの美容効果があります。 美肌にはローズ!なのです。 成分の「ネロール」には、女性ホルモンの調整作用、抗菌作用などがあります。 「ゲラニオール」には、体臭・口臭抑制する働きも。   女性生殖器系の不調に役立つとされており、 月経前緊張症・月経不順・月経過多・少量月経・更年期障害などに有効です。   以前ご入院されていた患者さんで、ローズの香りが大好きな方がいらっしゃいました。 とても女性らしい方で、精油や香水を揃えたり、エステに行かれることもあったそうです。 ある日、お部屋をたずねると、なにやら香りがします。 『わかる?弟が買ってきてくれたのよ。』 いつの間にやら、お部屋にコンセント式のアロマポットが置いてあります。 隣に100円ショップの「ローズ」のオイルが。 いわゆる合成のフレグランスオイルです。 正直、微妙な香りに感じました。 精油になれてしまっているからだと思うのですが、もわっとしたにおい…。 きっと患者さんも、香りの違いは感じていたと思います。 それでも、いつも弟さんのことを気にされていたその方は、うれしそうに微笑んでいました。

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「ローズ。〇〇さんのお好きな香りですね。弟さんもご存知だったんですね。」 『ふふ。』   それから、しばらくして… 患者さんの状態が日々変化し、眠っている時間が長くなってきました。 弟さんは、その現実が受け止めきれず、あまり病院に来られなくなりました。 静かな病室にお一人で眠っていらっしゃる姿が寂しく見えます。   私は、緩和ケア病棟ではほとんど使用しないローズ・オットーの精油を持って、部屋を訪れました。 「〇〇さん、ローズのオイルでお顔のマッサージをしてもいいですか?」 ゆっくりと目を開け、うなづいてくれました。 お顔の後に、手と足とアロママッサージを行いました。 途中、波に漂っているかのように、ゆったりとうつらうつら。 時折、目が合うとにこっと微笑み、また目をつむられます。 とても穏やかなお顔です。 このまま眠るように逝ってしまうのではないか。 一瞬そう感じ、そっと脈を確認しながらマッサージを続けました。 でもそのお顔は、今までに見たことがないほどに穏やかで、本当に美しかったのです。   マッサージ後、頬にほんのりと血色が戻っていました。 「バラの香りよかったー。幸せな時間だったわ、ありがとう。」と言い、小さな寝息が聞こえ始めました。   私も、穏やかで幸せな時間を共有させてもらっています。 感謝の気持ちでいっぱいになりました。 ローズ・オットーを嗅ぐと、患者さんの女性らしさ・美しさを思い出します。

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ローズオイルを持っているという方が意外と?多いのですが、結構合成ものだったりします。 その香りがすきで、薬効を期待しないのであれば全然問題ありません。 中には、「肌に使用しないでください」と書いてあるものもありますので、ご注意を。   ちなみに。 100%天然のローズオットーは、10度前後以下になると固形化します。 持っているオイルが、本物かどうか怪しい?時、ちょっと冷蔵庫に入れて固まるか確認してみたらいいかも。 手のひらでゆっくり精油瓶を温めると、液体に戻ります。 (ローズ・オットーは妊娠中は使用しないようにしましょう。)

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