娘が小学4年生の時です。これまでの習い事はピアノ、スイミング、英会話、どれも長続きせず、1年程でやめてしまいました。ところが、娘は初めて自分から「チアダンスを習ってみたい」と言い出したのです。同じクラスのお友達3人と習い始めたチアダンス。自然と親同士も仲良くなりました。ところがママ友の1人がかなりの強者、ステージママだったのです!
きれいな花には棘がある
ママ友Fさんは学生時代、大きな大会で入賞するくらいのチアダンサーだったそうで、見た目もかなりの美魔女。普段は明るく、テキパキ何でもこなすタイプです。ところがFさん、チアダンスのことになるとステージママに豹変! まるで自分の娘は芸能人で、Fさんはそのマネージャーかのように振る舞います。
週に2回の練習には必ず付き添い、休憩時間になると自分の子どもを呼び寄せて演技指導をして、先生もタジタジでした。もちろん家でも猛練習していたとか。
先生不在 大会は出場辞退?
8月の大会まであと少し、練習にも熱が入り始めたある日、一通のLINEが届きました。チアダンスの先生からです。
「網膜剥離になり入院となりました。大会目前に申し訳ありません。約2週間の入院で大会までに復帰は見込めず、対応策を考えています」との内容でした。
1年間練習を重ね、娘が楽しみにしていた初の大会。夏休み最大のイベントです。なんとか出場させてあげたい。先生のことは心配だけれど、なんで今? そんな時、頭をよぎったのはチアダンス経験者のFさんでした。先生も同じ考えだったようです。急遽、大会までの2週間はFさんが講師を引き受けてくれることになったのですが、ここから大暴走が始まります…。
大暴走のママ友!
練習初日。いきなりセンターに自分の娘を移動させ、わが子が目立つようなフォーメーションと振り付けに変えだしたのです!
大会目前にして、他の子たちはまるでバックダンサーのような扱い。急な変更とダメ出しの連続で、子どもたちも戸惑い、委縮してビクビク演技するようになってしまいました。
さすがに私も見かねて
「大会まで2週間、今フォーメーションや振り付けを変えるのはどうかな。子どもたちも動揺してるよ」と話しますが、Fさんは
「それならご自分で教えたらどうですか。こんな幼稚園のお遊戯みたいなダンスで、本当に大会に出場するの?」と逆ギレ! さらに
「うちの子は血統書つき。技も華もある子がセンターに来るのは当たり前! 凡人には越えられない壁があるから」と言い放ったのです。
凡人で悪うございました!
これには他の保護者も黙っておらず、凡人一同が一致団結してFさんを説得。不満たっぷりの表情でしたが、最後はFさんもしぶしぶ納得。従来通りの形で大会に出場することになりました。
そして大会当日。子どもたちは精一杯踊りましたが、結果は予選敗退でした。するとFさんは
「このチームじゃ一生勝てない。うちの子のいるべき場所じゃない」と言って強豪チームへ転籍してしまったのです。
衝撃の事実にびっくり!
そして3カ月後。Fさんの娘が、わが家に遊びに来てくれました。そして衝撃の事実を知ります。
「チアはもう辞めた! もともと好きじゃないし、ママのために踊るの疲れた。ママ、コーチと大喧嘩しちゃうし手に負えないもん。ママもいい加減学習しないとね!」と大人発言。子の心、親知らず…。
今でも、学校行事でFさんに会う機会はありますが、習い事の話はタブーです。触らぬ神に祟りなし! 今では挨拶程度のお付き合いで、程よい距離を保っています。
(ファンファン福岡公式ライター / みっちー)