もうすぐ5歳を迎えようとしているわが家の長男は、歯磨きが嫌いでした。サッと撫でるように磨いて「おわったよー」と言ったり、仕上げ磨きの時はふざけて口を開けなかったり…。そんな息子が自ら歯磨きをするようになった、予想外の出来事がありました。
曾祖父の家で起こったハプニング!
曾祖父は、ひ孫にあたる息子をとても可愛がってくれているので、月に一度は顔を見せに行っています。この日も、いつものように曾祖父と息子が楽しそうに話をしていました。その光景が微笑ましくて、私はスマホで写真を撮ったりビデオを撮ったりしていました。
すると、曾祖父が口を開けて笑った瞬間 、口から入れ歯がぽろっと落ちたのです! 息子の表情が一瞬で引きつりました。私自身も驚いて言葉が出なかったくらいなので、息子は相当な衝撃を受けたことでしょう。
曾祖父の隣に座っていた曾祖母は、手を叩いて笑っていますが、息子にとってはその光景すらも恐怖に感じたのか、ドアの方に後ずさりしていきます。
曾祖父が息子に一言
「ママ、もう帰ろう…」そう小さくつぶやいた息子に、曾祖父がなぜか誇らしげな顔で一言。
「〇〇くん、歯磨きをしっかりしないと、ひいおじいちゃんみたいになるんだぞ!」
涙目になってうなずく息子。今日はもうこれ以上は居られないなと思い、いつものようにお菓子やジュースをもらって、急ぎ足で曾祖父の家を後にしました。
帰りの車で息子は
「なんで歯が取れたの? 歯磨きをしないと歯がとれちゃうの?」
「おじいさんになったら歯がなくなるの?」と質問攻め。最後には泣きそうな顔で
「もう、あのおうちに行くのはやめようね」と言う息子の言葉を聞き、少し切ない気持ちになったのを覚えています。
歯磨き嫌いの息子に変化が
その夜、お風呂から上がると息子の方から
「ママ、歯磨きしよう」と言ってきました。
「どうしたの?」と尋ねると
「だってひいおじいちゃんが、歯磨きしないとひいおじいちゃんみたいになるって言ってたから…」と。
次の日の朝も、保育園に行く前に自分で歯磨きをする息子の姿がありました。毎日苦戦していた子供の歯磨きが一気にラクになり、これまでの苦労は何だったのかと思うほどです。
今まで私が
「歯磨きをしないと虫歯になって歯が真っ黒になるよ」
「虫歯になったら歯医者さんに注射されちゃうよ」などと言っても、あまり聞く耳をもたなかった息子。しかし
「ひいおじいちゃんみたいになるよ」という曾祖父の言葉は、映像とともに強烈に息子の心に刺さったようです。
その後、曾祖父と息子の関係は…?
その後はコロナ禍で、3カ月ほど曾祖父に会っていませんでしたが、先日久しぶりに会いに行きました。久々の再会に、曾祖父は嬉しそうに息子の頭を撫でました。息子はちょっと恥ずかしそうにしながら
「今日はもう歯を落とさないでね」と言い、以前と変わらず楽しそうに 遊んでいました。
息子にとっては衝撃な出来事だったと思いますが、歯磨き嫌いを克服するきっかけを作ってくれた曾祖父には感謝です。
また歯磨きをしなくなったときは、曾祖父にビシッと言ってもらおうと思います。息子が大きくなるまで、元気でいてもらわなければいけないですね。
(ファンファン福岡公式ライター / canaママ)