臭くてお産に集中出来ない! 立ち会い出産で起こった悲劇とは

初めての出産の時、私はSNSで「出産レポート」と呼ばれる先輩ママたちの体験記事を読み漁りました。各家庭に様々なストーリーがあり、読みながらドキドキしたり、感動して涙が出たり…。そんな私も無事に元気な赤ちゃんを出産しましたが、わが家の場合はどの出産レポートにも書かれていなかった予想外の出来事が起こりました。

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夫の休みにきた陣痛

写真AC

 出産予定日の3日前、夫と朝ごはんを食べているとお腹に鈍い痛みがありました。この日は夫が休みだったこともあり
 「今日産まれておいでよ~」とお腹に何度も話かける私と夫。その言葉が伝わったのか、少し経ってから「おしるし」と呼ばれる少量の出血がありました。

 「ついに今日産まれるんだ…!」不安と期待が入り交じる中、入院バッグを車に乗せたり、呼吸法の復習をしたりして、万全の準備を整えます。時間が経つにつれ、陣痛らしくなってきましたが
 「初産はなかなか産まれないよ~」と助産師さんから言われていたので、我慢できる間は自宅で過ごそうと決めていました。

 きっと長丁場になるだろうから、眠れる時に寝ておこうと、寝室で仮眠をとる私。夫も付き添いに備えて、少し早めの昼食を取り、後片付けをしていたようでした。

 いよいよ我慢の限界がきて15時ごろ産院へ。診察してもらいながら
 「子宮口が7cm開いていますよ~! 日が暮れる前には赤ちゃんに会えますよ」という助産師さんの言葉に、力が湧き上がってくるような感覚がありました。

痛みの中で気づいた異臭

 入院の手続きを済ませ、陣痛室と分娩室が一緒になった、LDRと呼ばれる部屋に移動すると、急に痛みのレベルが上がり、呼吸が乱れる私。助産師さんの
 「吸って~、スー、吐いて~、フー」という声に合わせて息を整えました。その後助産師さんは
 「痛みが強くなって来たらナースコール押してくださいね!」と言い、別の部屋に行ってしまいました。

 次にまた陣痛の痛みが襲ってきたとき、助産師さんがしていたように夫が隣で
 「吸って~スー、吐いて~フー」と呼吸を誘導してくれたのですが、顔に夫の息が吹きかかった時に思わず息を止めてしまいました。ウッと吐きそうになるような、ものすごいニオイだったのです! しかし、一生懸命背中をさすったり、呼吸を誘導したりする夫の姿を見ると、なかなか言い出せず…。

 その後も、夫が呼吸を誘導するたびに息を止めてしまい… 痛みもあわさって、約1時間地獄のような時を過ごしました。
 痛みがピークに達し、ナースコールを押すと助産師さんが戻ってきて
 「そろそろ産まれそうですね!」と、先生を呼んできました。

 「旦那さんはこちらの椅子にどうぞ」と夫が少し離れた椅子に座った時は、「助かった…」とホッとした気持ちに。そして、無事に元気な赤ちゃんが生まれ、幸せな気持ちに包まれました。

においの正体が明らかに

写真AC

 その後、入院する部屋に移動し、夫に
 「お昼ご飯何食べたの?」と聞くと
 「スタミナをつけようとにんにくチャーハンを作って食べた!」と。

 「やっぱり。さっき臭くて息ができなかったよ」と笑いながら言うと
 「えっ、ごめん! 言ってくれたら良かったのに!」と申し訳なさそうに笑っていました。

 後日、夫は会社に行き、上司や同僚から出産について聞かれた時にこの話をすると
 「スタミナをつけるのは、お前じゃなく奥さんや!」とつっこまれ、笑われたそうです。終わってしまえば笑い話ですが、私にとっては忘れられない出産体験となりました。

(ファンファン福岡公式ライター / canaママ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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