人生で最も高い買い物と言えば、マイホーム。そんな家族にとって大切な「家」について、ある日、姑から衝撃のメールが届いたのでした。
普段は優しい姑
私の義母は、嫁いびりとは無縁の素敵な姑さんです。義実家に遊びに行くと、食卓には嫁である私の好物が並び、息子の好物は後回し。孫の催促をすることなく、いざ私が妊娠したら、体調を気遣ってくれる。父の日や母の日、お誕生日といった記念日には、プレゼントを贈り合い、つかず離れずのよい関係を築いていました。
ただ唯一問題だったのが、姑の同居願望が強いこと。
結婚直後は、
「新婚夫婦の時間を大切にしなさい」と言ってくれていたのに、孫が生まれて以来、同居アピールがはじまりました。 けれども、そこはスルースキルの高い私。
「親戚や近所の人が、2世帯住宅を建てて、とっても幸せそう」 姑のそんな話は、聞き流して、話題を変えます。
「この家もガタがきているから、そろそろ建て替えの時期かしら」 そんな訴えも、
「あの地震でびくともしなかったんだから平気ですよ!」と義実家の頑丈さを褒め称えて、乗り切ります。このまま、同居の件は、スルーし続けよう、そう思っていました。
あの日、とんでもないメールが届くまでは・・・。 「息子には内緒でお願いします」 そのタイトルに嫌な予感。珍しく長文のメールを読んでみると、初耳の事ばかりで驚愕しました。(以下、メール本文)
驚愕のメールとは…
「家の近所に、築浅の優良中古物件が売りに出されています。
さっそく私たちで物件を見に行ったら、広くて子育てにも最適! 不動産屋が、問い合わせが多くて、すぐ売れてしまうから、早く契約した方がいいと急かすので、もう仮契約をして、主人名義でローンの審査をしています。
けれど主人は60代後半だから、ローンが通らない可能性が高いの。 あなたから、息子を説得して、親子ローンを組むように言ってくれないかしら。 このメールの件は、内緒にして『あなたの実家の近所にいい物件があるから、一緒に見に行こう』そう言ってくれれば大丈夫よ!
週末に現地見学に行ってください。 すごくいい物件だから、あなたたちも満足すること間違いナシよ!」
見たこともない物件のローンを組まされようとしている・・・。
あまりのことに、メールの返信は保留。姑のメールを旦那に転送して、一言。
「初耳。あなたには内緒って言われたけれど・・・ 内緒にできるかーー!!!」 と怒りを伝えました。
どうする?! マイホーム
その晩、姑のメールを無視したまま、夫婦で会議を開き、実家近所の中古物件は買わない、これから1年以内に、自分達で物件を見つけて購入することを決めました。
翌日、再び姑からメールが届きました。
「勝手に物件を見に行ってごめんなさい。すごく良い家だったから、あなたたちも喜ぶだろうと、盛り上がってしまって・・・ 反省しています。 仮契約は、取り消しました。その直後、他の方が購入したそうです。本当に良い家だから、ぜひ見て欲しかったわ・・・」
姑の恨み節に、すっかりドン引きしていました。
その後、私達夫婦は、義実家から車で1時間ほどの街に物件を見つけて、購入しました。部屋は1室余っていて、今は客間、将来は子供部屋に考えています。
姑は、客間に泊まるたびに、
「ここで暮らすのも悪くないわね」と言いますが、もちろんスルー。今後もスルースキルを磨いて、同居回避したいと思っています。
(ファンファン福岡一般ライター / R28)