【姑にドン引き】近居願望の強い姑が見つけてきた物件は

友人の姑は、「スープの冷めない距離に住みたい」が口癖。姑舅が住むマンションに空室が出るたびに、物件情報を持って、友人宅を突撃訪問していました。ある日、根負けした友人が、姑の勧める物件の内覧へ行ったところ、とんでもないものを目撃します・・・。

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過干渉な姑に、うんざり!

出典:写真AC

 Aの姑は、過干渉な人で、週2〜3回の突撃訪問は当たり前。家族旅行の前日に、大量の生ものを持ってきたり、子どもを寝かしつける時間に、突然舅を連れて遊びに来たりと、やりたい放題。

 Aが一番頭にきた突撃訪問は、なんと、休日の早朝7時にやってきてピンポーン!
 「孫ちゃんに似合う洋服を持ってきましたよー!」と大声をあげて、扉をガチャガチャ! スッピンでパジャマ姿のAが、慌てて玄関を開けると
 「遅いわね〜まだ寝間着なの? だらしないのね」と嫌味を一発。

 家族で出かける予定があってもお構いなし。夕方まで居座り、しっかり夕飯まで食べていくのだそう。 友人Aの旦那が、何度注意しても、姑はまったく聞く耳を持たず、突然の訪問は止まりません。
 「あの人、息子夫婦の家=人の家っていう感覚がないのよ。食べきれないくらいの食材や、趣味に合わない孫の洋服も、感謝されて当然と思っているの。車で片道20分の距離があっても、こんなに頻繁にやってくるんだから、近くに住んだら・・・怖くて想像もできない!」

 そう嘆くAの話を聞きながら、「この強烈な姑と近居になったら、大変だろうな」と身震いをしたものです。
 嫁からそんな風に毛嫌いされているなんて、ちっとも想像しない姑は、数年前から、息子夫婦を近居させようと画策していました。

姑に連れられて内覧へ行くと…?

 姑舅が住むのは、大型マンションが立ち並ぶエリアの分譲マンション。戸数が多くて住民の入れ替わりが激しいので、引越のトラックが駐まるたびに、管理会社に連絡をして、空室を教えてもらっていたそうです。

 そして空室がでるたびに、姑は物件情報を手に、A宅へ突撃訪問!
 「息子夫婦とスープの冷めない距離に住みたい! ってずっと憧れていたのよ〜! 同じマンションなら、いつだって掃除や夕飯の支度をしてあげられるし、孫ちゃんの面倒をみてあげるわよ。こんないい物件、ほかにはないんだから、ここを買いなさい!」と迫ってくるのです。

 「そこは職場から遠くなるし、親父とお袋が住むマンションを買うメリットがない」と旦那とAが説得しても、聞く耳なし。

 物件情報をひっさげた突撃訪問が、4〜5回続き、そのたびに押し問答をすることに、うんざりしていたある日、
 「同じマンションは諦めたわ。でも掘り出し物件があるの。一度一緒に見に来てくれない?」と、いつになくしおらしい姑にほだされて、Aは内覧について行きました。

 たどり着いたのは、姑舅が住むマンションから2棟離れたマンションの空き部屋。たしかに中古とは思えないほど、使用感がなく、日当たりも良くて、広々とした部屋は、子育てしやすそうな環境です。  
 「姑の近居の押し売りを断るのも、疲れてきた・・・。姑と近所になってしまうけれど、ドアツードアで10分はかかるし、案外この部屋は良いかも・・・」と心が揺れ、ベランダに出た時、Aは目を疑いました。  

まさかの光景

出典:写真AC

 すぐそこに見えたのは、姑が住むマンションの一室で、姑と舅の洋服や下着が、物干し竿ではためく光景。 立地の関係で、姑宅からその部屋は、丸見えなのです。もしここに引っ越してきたら、電気がついているかどうかで、在宅状況が手に取るように分かってしまう。しかもベランダで洗濯物を干すたびに、姑と顔を合わせるかも・・・ 生活を覗かれるような恐怖を感じたAは、
 「この部屋は、風水的に水回りの位置が悪い!」と難癖をつけて、その場から逃げ出しました。

 その後、Aは姑舅が住むマンションから、車で40分ほど離れたエリアで、新築のマンションを購入しました。いまだに姑は
 「あなた達のマンションに空室がでたら、すぐに教えてちょうだい! お父さんを説得して、引っ越すから!」と息巻いていますが、Aが購入したのはコーポラティブ住宅。入居希望者が、組合をつくり、注文住宅のようにオーダーメイドで内装を仕上げた集合住宅なので、それぞれに思い入れが強くて、引っ越す人は、いないのだそう。  

 「入居者の組合が、マンションの管理をしているから、万が一、引っ越す人がいても、絶対に物件情報なんて漏れないの!」Aはそう笑って話します。

 新居に移り住んでから、A家族は、休日に早朝から外出するようになり、姑の突撃訪問は、何度か空振りに終わってしまったそう。片道40分、往復1時間20分のドライブに懲りたのか、最近は突撃訪問もグッと減ったようです。

(ファンファン福岡一般ライター)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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