今日は小学校の運動会。息子のダンス競技が始まるのを待っていると、ママ友から1本の電話が。「息子くん、ダンス用のTシャツ忘れたみたいだよ!」コンビニまでTシャツを買いに走る夫、息子を探し回る私。夫婦揃って汗だくになった、運動会のちょっと苦い思い出です。
本番直前に気づいた忘れ物
息子が小学3年生、娘が小学1年生の運動会のこと。その日は見事な晴天で汗ばむ陽気でした。私たち夫婦は、娘の応援席近くに場所をとり、たまに息子の方にも顔を出していました。
順調に競技が進み、息子のダンスの招集がかかった時、1本の電話が鳴りました。仲の良いママ友からです。
「息子くん、ダンスで着る黒いTシャツがないって言ってるよ」その言葉に私は、はっと立ち上がりました。
「やばい、忘れた!」私は真っ青になりました。ダンスでは、黒いTシャツを着ることになっていたのです。
忘れたことを伝えてママ友との電話を切るも、頭の中はパニック状態。
皆が黒いTシャツを着てダンスをする中、息子だけ体操服だったらかわいそう。私は隣にいる夫に慌てて事情を説明します。すると
「分かった、コンビニまで行って買ってくる!」夫も息子の一大事だと立ち上がりました。学校からコンビニまでは徒歩で往復約10分。あと2つほど競技があります。夫は走り出しました。
コンビニは遠かった
夫が走ってコンビニに行く間、私も息子のところに急ぎます。しかし、3、4年生合同で踊るダンスの集合場所は人が多くなかなか見つけられません。
せめて先生に忘れたことを伝えようと思っても、先生すら見つかりません。コロナ禍で学校に行く機会が少なく、先生の顔はうろ覚え。その上、マスクをしていて分かりづらいのです。
とうとう競技が始まるのか、生徒達が立ち上がります。「やばい、もう始まっちゃう!」1人だけ白い体操服の息子は目立つはずなのに、焦りからか見つけられません。
そして間に合わない夫。やっぱりコンビニは遠かったか…。ついにダンスが始まりました。
ついにダンスが始まった!
3、4年生が運動場に入場してきます。もちろん全員が黒いTシャツを着ています。「あぁ、息子だけが白い体操服なんだ。ごめんよ…」と思って恐る恐る息子の姿を探します。
「いた!」あれ? 息子は黒いTシャツを着ています。何度も確認しましたが、どう見ても黒いTシャツを着て踊るのは私の息子です。私は首を捻りながらも頑張って踊る息子の姿を見つめていました。
ダンスの中盤で、黒いTシャツを手に持ち、汗だくの夫が戻ってきました。
「ダンスは?」息も絶え絶えの夫に、言いにくいけど真実を伝えます。
「どういうこと?」夫婦2人で首を傾げます。
「まぁ無事にすんだならよかったよ」と夫はタオルで汗をぬぐいます。いつの間にか私も汗だくでした。
応援席に戻ってきた息子に事情を聞くと
「友達がもう一着持ってたから借りれたよ」とのこと。まさか、そんな準備のいいお友達がいるなんて! 結果として、夫が走ってコンビニまで行ったことは無意味に終わったのでした。
1番楽しかった競技は?
帰り道、息子にどの競技が一番楽しかったか聞いてみました。
「うーん、ダンスかな」の言葉に思わず夫婦で顔を見合わせます。私たちにとっては無駄に汗だくになった時間だったけど、息子は知る由もありません。
汗だくになって走り回ったのはちょっぴり苦い思い出ですが、息子の笑顔を見られて、ほっとしました。でもこんな思いをする運動会はこりごりなので、来年は絶対に準備を怠らないようにしようと思ったのでした 。
(ファンファン福岡公式ライター / Sao)