わが家は私と旦那、息子2人の4人家族です。でも実質的には父親不在の状態。少しでも子育てに協力してほしい、と期待してきた私ですが… 世の中には親になれない人もいる、という現実を思い知らされたエピソードです。
常にマイペースすぎる旦那の日常
まずは旦那の日常をご紹介。起床後、ゆっくりと新聞やテレビを見ながら朝食を食べた後、お弁当を持って出社。夕方は定時に帰宅し、すぐにテレビとお酒をお供に夕食。後はソファで寝ること、それが彼のルーティンです。そして休日は勤務時間=テレビ&携帯タイムになります。
勿論その場に子どもも私もいます。食事時はワイワイと会話もはずむし、次男がちょっかいだして私に怒られたり、長男と学校の話で盛り上がったりも。でも旦那は全くの無反応。ルーティンを淡々とこなし、子どもとの会話はほとんどなし。まるでひとり暮らしのようなマイペースぶりです。
旦那には幾度となく
「せめて子どもと会話を」とお願いしました。旦那はすぐに
「わかった」と気の良い返事をし、しばらくは子どもに話しかけます。でもすぐいつも通りになってしまうので再び私がお願いして…。を繰り返すばかりで埒が明かない状態です。
思春期を迎えた長男と旦那の態度
そうこうしているうちに長男が中学生になり、思春期に突入。彼は発言が「別に」だけのイライラ人間に変貌していきました。高校受験を控え、ますます不安定になる長男に、ついつい私も余裕を失う時もあり… 。
「結局どこの高校に行きたいの?」
「そんなこと言ったってまだ決められないんだよ!」
私と長男が対峙している横で、携帯から片時も目を離そうとしない旦那。まるで何事もないように過ごしています。
そこで旦那が長男に
「どんな高校に行きたいの?」と聞いたり、私に
「さっきは大変だったね」なんて労いは一切なし。いつも通り淡々と日々のルーティンをこなしていくだけ。そんなある夜、ついに長男のフラストレーションが爆発!
「ウオッー」という雄叫びを挙げながら叫ぶ長男をなだめようとする私を尻目に、旦那はソファで高いびきをかいて寝ていました…。
親になれない旦那に絶望した私の決断
その後、私と話し合って冷静さを取り戻していった長男。ホッと一安心した私の頭に、ある疑惑が浮上したのです。こんなに何度も修羅場を繰り返しているのだから、長男と私が困っているのは誰の目から見ても一目瞭然。小学生の次男でさえ
「お兄ちゃん、大丈夫?」と気を遣ってくれます。
旦那は仕事で疲れているからと許してきた私は間違っていました。「子どもと会話を」という私のお願いをのらりくらりとかわしながら、彼は知らんふりを決め込んでいるのです。そのことに気付いた瞬間、猛烈な怒りが! 彼は私の思いやりの上にあぐらをかいて、子育てから全速力で逃げようとしているだけ。旦那と幾度も重ねてきた話し合いはどうやら全く意味がなかったようです。
そこで私の中にある白いイメージが湧いてきました。それは離婚届という1枚の紙。そこにポーンと判を押す自分の姿が…。そこから私は旦那に何かをお願いすることをやめました。そして長男が高校に合格し、落ち着きを取り戻した所で仕事を始めたのです。
旦那には何も告げず、ただ静かに自立の道を歩み始めた私。辛くなった時は心の中で何度も何度も判を押して、自分で自分を鼓舞しながら。いつか本物の判を押したとき、旦那はいったいどんな顔をするでしょう? もしかしたら携帯から目を離すことなく、離婚届を受け取るのかもしれませんね。
(ファンファン福岡公式ライター/日野原花)