ジャズピアニスト国府弘子さんが結成25年を迎える自身のトリオに歌姫「岩崎宏美」さんをゲストに迎え、10月16日(日)に北九州市黒崎ひびしんホールでスペシャル・コンサートを開催。それに先駆けて国府さんに公演の魅力を語っていただきました。
シンプルにしてゴージャス 岩崎宏美さんとのライブは極上の時間
九州はもう大好きなところで何度もライブをやらせていただいています。食べ物はおいしいし、お客様はもちろんのこと、公演に関わってくださるスタッフの方々が本当に情熱をもって取り組んでくださるので、いつもこちらにうかがえることがありがたくて仕方ありません。
そして今回は大好きなアーティスト岩崎宏美さんをゲストに迎え、全面的にプロデュースさせてもらっているのでわくわく感は半端ないです。私は岩崎宏美さんをジャズに引っ張り込もうなんて考えていません。彼女と一緒だから出来ること、やりたいことをぎゅっと詰め込みます。私のオーダーに対して彼女は「シロコ(*)の言うとおりでOK!」と信頼して任せてくれるのも嬉しいですね。 (※岩崎さんは国府さんをシロコと呼んでいる)
トリオ結成24年になるベースの八尋洋一とドラム・パーカッションの岩瀬立飛と共に彼女のヒット曲の数々もジャンルを超えたアレンジでグルーヴィーに届けたいと思っています。そして、絶対にやりたいのはミュージカル「レ・ミゼラブル」の名曲”夢やぶれて”。宏美ちゃんの歌うこの曲はもう鳥肌が立って感動しますよ。
初めての出会いはもんじゃ焼き
宏美ちゃんとの出会いですか?
実は当時住んでいた家の近所にもんじゃ焼きの美味しい店があって、そこのママさんが紹介してくれました。ミュージシャンやミュージカル関係者とかがよく集まる処でママさんが私のことを宏美ちゃんに色々話してくれていたみたいなのですね。もちろんお店で見かけても、こちらは「あ、岩崎宏美だ」という感じでしたが(笑)。
するとある日いきなり「岩崎宏美ですが・・・」と本人から電話がかかってきてもう驚いたのなんのって。「来年、ピアノと歌だけのシンプルなスタイルで全国の小さな会場をまわりたいと考えており、ぜひあなたとやりたいのです。」と言われ、もう嬉しかったですねぇ。もう「やる!やる!!」ですよ。(笑)
そうこうして正式にツァーが決まってから、私は宏美ちゃんに言いました。「あなた、私を騙したわね!小さい会場って言ったじゃない?!」岩崎宏美という人にとって1000人規模のホールは小さい会場だったのです。(苦笑)
ピアノ調律師を連れていきたい!
二人で「ピアノ・ソングス」というデュオ・アルバムを作って、さあこれから全国ツァーへという段階になり、私の願いはただ一つ「ピアノ調律師を連れていきたい!」でした。ピアニストは自分の楽器を持ち歩けないので、基本的に会場の楽器を使用します。もちろん素晴らしいピアノを保有しているホールもありますが、長年顧みられてこなかったり、状態の悪いものに出会うこともあるんですよ。私は宏美ちゃんの素晴らしい「声」に応えるのに、今日のピアノはだめだったなんて絶対に言いたくなかった。だから「ヘア・メイクさんはいらないから、調律師さんをツアーに随行させてほしい」とお願いしました。
「シロコと一緒にツァーをやってみて初めてピアノ調律師がいかに偉大で重要なのかがわかった。ピアノのお医者さんなのね。調律師は。」と宏美ちゃんが言ってくれて、ライブの度に「どう?今日のピアノは」とか「どんどん音が開いてきたわね?」と聞いてくれると俄然勇気と元気が湧いてきます。
もちろんバンドでやっているときもそれは変わらないのですが、「声」と「ピアノ」の二人きりだと何もかもがあからさまになりますね。だからキャッチフレーズは「シンプルにしてむしろゴージャス」。
Piano Songsは進化系へ
この10月の黒崎ひびしんホールでの公演は、その進化したものをお届けできると思っています。この会場はピアノも素晴らしいので楽しみです。ぜひ、みなさま会場でお会いしましょう。
え? 私の醍醐味ですか?
それは誰よりも至近距離で「岩崎宏美」の歌を聴けることですよ。本当に素晴らしい声、もう役得ですね! (笑)
国府弘子スペシャルトリオ with 岩崎宏美 公演
日時:10月16日(日) 開場15:30 開演16:00
場所:黒崎ひびしんホール(大ホール)
住所:福岡県北九州市八幡西区岸の浦2ー1-1
共演: 八尋洋一(ベース)、岩瀬立飛(ドラム・パーカッション)
チケット料金:全席指定 一般5,800円/友の会5,300円/ペア券(2枚)11,000円 他
問い合わせ・申込み:黒崎ひびしんホール 電話093-621-4566
公式サイト:https://www.kurosaki-bunka.jp/
国府弘子オフィシャルサイト http://kokubuhiroko.net
レガシーピアノ保存プロジェクトに寄せて
最初にお話をうかがった時は正直驚きました。ジャンルを超えて、これだけの世界的アーティスト達が福岡に来られて公演をされたことに、そしてそのピアノにサインを遺されていたとは。
ビリー・ヴォーンがカタカナでサインをされているようですが、もうその時の日本人スタッフとの交流が目に浮かぶようです。人と人とのコミュニケーションが楽器を通して伝わってきますね。新しいからいいってもんじゃない。文化ってそうじゃありません? その瞬間にアーティストとお客様、そして舞台関係者の心が通い合い、その証がピアノに遺されたのだと思いますよ。きっと。
このプロジェクトにはグッときました。心から応援しています。私はピアノには人格があると思っているんですよ。大事にすれば長生きします。もう長い間世話になった調律師にそう教えられました。このピアノはおそらくは色々なドラマを秘めているような気がしていますね。
1年後にまた演奏できる状態に修復されて福岡市美術館に収蔵され、多くの方々に愛されるピアノとなることを願っています。そして機会があれば私も演奏させていただきたいな。その日を楽しみにしています! (国府弘子さん談)
■レガシーピアノ保存プロジェクトの詳細についてはこちらのサイトで確認を。https://greenfunding.jp/linkstart/projects/6295
問い合わせ: レガシーピアノ保存プロジェク実行委員会事務局
電話:092-711-5491