【アフリカの美白ブーム】白くなりたがる人たち。

皆さん、明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。

さて、私、1月は厳冬の日本から飛行機で1日半かけて激暑のモザンビークへ飛びます。気候が180度変わるので体調管理が大切なのですが、冷房もないトタン屋根のサウナ状態の部屋での仕事環境の改善をしなければ!危ない・・・ さて、日本滞在中にSNSを通じてモザンビークの友人の様子を目にするのですが、中でも気になったことを今回はご紹介。SNSでプロ・アマ問わずモザンビークのアーティストのプロモーションビデオ(PV)を見かけることが増えています。

出典:ファンファン福岡

なんせ、アフリカの血潮はミュージック! 毎日の暮らしと音楽は切り離せない関係ですが、モザンビークでもここ数年、海外の機材が手に入りやすくなり、趣味で自分の歌を録音したり、ちょっとした歌い手になるとプロモーションビデオを製作していたりします。 モザンビーク南部の首都から遠く離れた北部の田舎町・私の住むペンバでも然り。 ちなみにプロモーションビデオ1本、3万ほどで製作できるとのこと。 1ヶ月のお給料が1万~2万円というお財布事情の中、それでも音楽での自己PRにはお金をかけます。同時に、お金をかけるのが、キレイで、かっこいい見栄え。美容用品です。 特にマーケットが拡大しているのが、美白用品。もっとキレイにかっこよくなるため、美白クリームを手放せないアーティストも結構いるのです。

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モザンビークで暮らしていると少女から大人まで女性から「うらやましい、こんな肌になりたい」「やわらかくて白い肌になりたい」と腕や顔を触られます。直毛の髪の毛をなでられることもしばしば。 美白クリームを使っている女性も身近におり、ちょっとずつ肌がダークスキンからライトスキンになっていたりするのですが、一方、美白クリームで肌が荒れてやけど状態になっている女性もいます。 だいたい肌の色素を漂白しようとするのだから、肌に悪いのは当然。 最近のニュースでは、やっと水銀や水銀誘導体、コルチゾン(ステロイドホルモンの一種)等が含まれる美白製品が皮膚がん発生の恐れがあるとして規制されるようになりましたが、安全対策に乗り出したのは、アフリカの一部の国のみ。 モザンビークは化粧品や食品など安全対策の分野でもかなり遅れています。  世界保健機関(WHO)の報告ではアフリカで美白に最も熱心なのはナイジェリアの女性で、77%が美白化粧品を使っているのだとか。2位からトーゴ59%、南アフリカ35%、マリ25%と続きます。 一体アフリカ全土で何千、何百万人の人が有害物質の含まれた美白化粧品の副作用を知らずに今日も丹念に顔や身体にクリームを塗り込んでいることやら・・・。 広告が多く見られます。

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広告が多く見られます。 ” width=”300″ height=”454″ /> 欧米の化粧メーカーもアフリカに進出しており、美白を誘導する広告が多く見られます。[/caption] 私の住むペンバで美白化粧品が売られはじめたのは2010年頃からとか。 女性用の美白クリームのみならず、色が白くなる石鹸や男性用美白化粧品もさまざまな種類が販売されています。 日本でも「色の白いは七難隠す」なんていうことわざがありますが、なぜこれほどまでに、色白を目指すのか?!? 「ライトスキンのほうが良い人生を送れる」という広告イメージもあるし、さらに人気ミュージシャンやタレントも肌を漂白している人も多く、肌色は白に近いほうが異性にモテるという傾向もあります。 なんで色白が優位なのか?を考えるときに、かつてアフリカを支配した白人の富と権力をイメージさせるから、とか、安直な考えも浮かびます。 植民地時代には黒人と白人の混血=ムラート(Mulatto)には黒人よりもよい仕事が与えられ、今でも、ムラートは黒人に対して、黒人と一緒にされたくない意識を持っています。これは北アフリカに住むアラブ系の人たちも同様の考えを持っています。 人種や肌の色の違いで、差別というよりも区別意識をもっているのは理解できますが、それにしても、なんで色白崇拝がここまで拡大しているのか?!? 何年何十年先には、60年代にアフリカ系アメリカ人に流行った民族的回帰運動のスローガンである「Black is Beautiful」がアフリカでも流行し、ダークスキンこそ黒人の美しさ!となる日が来るのか。  日本でも、美人を象徴するスタイルは時代によって変わってきているし、かつては日焼け、ガングロなんてものも流行ったわけです。 美しさのモードや、それを仕掛け儲けるビジネス、そしてそこに踊らされる老若男女。 価値観は人それぞれなので、基本的に何を選択しようとその人が良ければ良しでしょうが、人びとの欲求に漬け込んで、有害なものを売りつけるのだけは世界どこでも、やめてほしいものです。 正しい情報、安全性に関する情報を知っていたら、知り合いに教えてあげよう。 そんなちょっとしたことでも、出来ることからやりたいものです。  

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