記憶に新しい昨年のクリスマス。貴方はどう過ごしましたか? 家族や仲間と賑やかなホームパーティー? それとも、恋人と素敵な一夜? 結婚して、家族ができて「クリスマスが近づくと、誰と過ごすかソワソワしていたけれど、もうそんな心配いらないんだね」と話していた友人が味わった、まさかの一人ぼっちのクリスマス。彼女に何があったのでしょう。
友人からS.O.Sが!
クリスマスイブ、近所に住む友人から、こんなLINEメッセージが届きました。 「クリスマスなのに、感染性胃腸炎でダウン中。ケーキもご馳走も食べられない・・・(涙)しかも旦那と子どもは、姑主催のクリスマスパーティーに行って、私だけ置いてけぼり!(怒)結婚して、クリぼっちになるなんて、思いもしなかった!」
何事かと心配して、彼女の自宅へ向かうと、いつもは元気いっぱいな友人が、パジャマ姿のまま、フラフラと出迎えてくれました。顔色は土気色で、見るからにやつれています。ひとまず彼女を寝室に休ませて、話を聞くことにしました。
「子どもがお腹にくる風邪になって、上からリバース、下もピーピーで、本当に大変だったの。私一人で看病しているうちに、感染しちゃったみたい。子どもよりも、ずっと病状が悪化して、3日間、水を飲んでも吐き気が・・・ 悪阻を思い出しちゃったよ」
なぜ、ぼっちクリスマスになってしまったのか。 こんなに体調の悪い彼女を残して、出かける旦那の神経を疑います。 彼女が感染したのは、クリスマスイブの前日。ようやく子どもが元気になってきてホッとした頃に、突然、襲いかかったウィルスの恐怖! 彼女のお腹は、ギュルギュルと痛み、トイレに駆け込んだきり、出られなくなりました。
翌日も、症状は悪化してゆく一方。残念だけど、クリスマスパーティーは延期して、おうちで安静にしようと夫婦で話し合っていたら、姑から連絡がありました。
驚愕の義母と旦那
「孫ちゃんのために、大きなケーキを買ったから、おうちに遊びに行くわね」 普段は、厄介に感じる姑の突撃訪問も、体調不良の今なら、育児や家事を手助けしてもらえる・・・ と、心底ありがたく感じました。
ところが、彼女が体調を崩して、ダウンしていると聞いた途端、姑は言い放ちました。
「ママのせいで、孫ちゃんがクリスマスを楽しく過ごせないなんて可哀想! 体調管理ができないなんて、ママ失格ね! 息子ちゃん、孫ちゃんを連れて、うちに来なさいな。ケーキもあるし、ちゃんとクリスマスパーティーの料理を作ってあげる!」
その言葉を聞いて、旦那は
「おふくろのとこに行ってくるわ。お前と違って、クリスマスらしい事をしてくれるだろうし!」と言い残して、子どもと一緒に義実家へ行ってしまったのです。
「子どもを看病して、感染したのに、体調管理ができてないなんて、酷くない? せめて、スポーツドリンクやお粥を準備して、義実家に行くならまだしも、冷蔵庫は空っぽ! 買い物に行けないくらい体調が悪いのに、私だけ一人、置いていったんだよ! 信じられない!」 怒りがヒートアップして、ますます顔色が悪くなっていく彼女を寝かせて、私は消化に良い食べ物や飲み物を買い出しに行きました。
お正月は?
それから数日後。回復したように見えた子どもが、まだ保菌していたようで、旦那と姑に感染性胃腸炎がうつり、正月を目前にダウンしてしまいました。
「義母さんとあなたのせいで、息子ちゃんがキチンとしたお正月を過ごせないなんて、可哀想。せっかく予約した料亭のおせちも、もったいないし。あなたは義実家で、義母さんと一緒に安静に過ごせばいいよ」と彼女は言い、有無を言わさず、旦那を義実家に送り届けたそうです。
「お正月は、女が料理しなくてもいいように、日持ちするおせちがあって、一年で一番楽できる時でしょ。毎日、家事に育児に忙しいんだから、正月も旦那の看病だなんて勘弁! 元気になった子どもと一緒に、お正月をゆっくり過ごせて良かった」
そんな話をしながら、いくぶんふっくらと戻り、元気になった彼女がクスッと笑いました。
(ファンファン福岡一般ライター)