「サ日記」の猫ライター・サニの飼い主Jです。ひさしぶりに、サ日記の名前を借りて、「この店ではこれを食え」の趣旨で書きます。
福岡市の南に位置する春日市。そのメイン道路の一つ、県道31号線(旧5号線)沿いに山小屋風の店舗を構えるのが”名は体を表わす”「春日ロッジ」。カレー(カリー)のお店です。
この通り1972年からやってます。もう45年。今は、向かいに西友のショッピングモールがあったりと、いろいろなお店や施設でにぎわうあたり一帯も、その頃はお店もぽつりぽつり。淋しかったそうです。周辺にある「武蔵そば」とか石釜パンの「ナガタ」とかが古くからのお仲間というところでしょうか。飲食店で四半世紀近く続くなんてめったにないことです。
先月、新聞に「春日ロッジが2月でいったん閉店、後日県内の筑前町に移転する」という記事が出ました。寝耳に水とはこのこと。私の住む場所から筑前町は、さらにだいぶ遠くなります。しかも再オープンはだいぶ先。一度食べに行っとこうと思い、ようやく昨2月5日(日)の昼ごはんに出向きました。貼り紙をあらためて読むと、移転は7月中旬頃。5か月も間が開きます。
店内も山小屋を模した凝ったつくりです。サザンオールスターズのデビューアルバム(LP)などが飾られてますが、BGMはジャズが流れます。 このお店に初めて来たのは、30年以上前ですが、その頃どんな曲が流れてたかは覚えてません。
一応、メニューをいただきましたが、最初っから頼むものは決めてました。 きょうはお客さん多いから少しずらそうと思って午後1時近くに出てきて、わりと空腹なので、サラダも追加で頼みました。カレー店ですが、かろうじてビーフシチューなど違うメニューもあります。開店した頃は、フランス料理だったといいますが、いつしかカレー専門店になっていたそうです。
テーブルの下に敷いてある抽象画。「やなぎさわくめお」という人の「おしよせる忙しさ」という作品だと書いてあります。一時閉店が近いこともあり、たしかにお店には、忙しさが押し寄せつつあります。厨房とフロントのやりとりがあわただしい感じです。 注文して待ってる間にも、次々とお客さんの車がやって来ます。いや、おしよせます。
店内のショーケースに入った様々なカレーに関する本。この春日ロッジが、「福岡を代表するカレーの名店」として取り上げられた記事の掲載誌の数々です。地元のグルメ本にとどまらず、有名な全国版の雑誌や書籍にも登場しています。
先に食べている人たちのカレーのいい香りが漂ってきて、空腹感は絶頂に近づきつつあります。この辛さ調節のスパイスでもなめててやろうかという気にすらなっております。
待てば海路の日和あり。やってきました。主役より先にサラダ、スープ、付け合わせ。 先に野菜を食べると太りにくいという話を信じてるので、サラダからむさぼりいただきます。さわやかさっぱりしてます。あっという間に皿は空。 スープも胡椒が効いててスパイス好きにはたまらんです。
ついに真打ち登場! 意中のカリーは、「シーフード」です。海老、帆立、あさり、いろんな野菜・・・。たまらんいい匂い。。。
ライスにかけるとこうなります。ごはん少ないですが、ご安心を。あとで追加できますから。刺激を求める根っから辛いもの好きの私は、もちろん辛味スパイスをふんだんに振りかけて食します。
こちらが同行の家内が頼んだチキンカリー。インドカレーの王道。これまた、大ぶりな骨付きの鶏ももが入っておいしそう。少しずつ分け合います。
インド風カリー(シーフードやチキンなど)のセットは、コーヒーまで付いて1680円。 なかなかよかお値段ではありますが、ライスも沢山おかわりして満腹で満足。なによりプロが丹念に良い材料を使って作っているというのがわかる「丁寧な」味。家庭ではちょいと無理だし、他のどんなお店とも似てない味わいです。気づいた人もいるかと思いますが、あくまで「インド風」なのです。インドカリーはナンが似合いますが、この春日ロッジのカリーは、あくまで白ご飯にかけて食べるのが合うなあ! とつくづく思います。日本人のためのインドってところでしょうか。 そして、シーフード、チキン、仔羊と具の中身が違うだけでなく、ベースになるルウの味もそれぞれ違うんです。その中でも、私はいろいろ食べて、 「春日ロッジに来たらシーフード」と決めておるのです。 でも、今回少し分けてもらって食べたチキンも人気のほどがわかる美味でニクイ奴です。 辛い「インド風」が苦手な方には、英国風ビーフカレーもあります。
きのうは、お店に着いたのが午後1時半頃。その後「おしよせる忙しさ」で混み出して、2時過ぎには、オーダーストップになってました。 45年の年輪を重ねたプロの味がしばらくご無沙汰になっちゃいます。 なつかしむ人、初めての人。あと2週間足らずの今のお店を楽しみたい人は重々時間帯とお休みをお店に確かめたうえで、行かれてくださいね。