コロナ後の世界、ビジネスは福岡が強い!今、「福岡クオリティ」が重要視される理由とは。

コロナの流行が長引く中、これからの生活に不安を抱えている人も多いのでは?恐るるなかれ。実は、そのコロナ禍にあって福岡はこれからを生き抜くポイントの高いビジネススポットであるという話も!? 今回は、福岡を愛するライターのMARUさんが、ハックスシリーズの著者で『ビジネスモデル・ジェネレーション』の訳書でも知られる、コンセプトクリエイター、小山龍介さんに話を伺いつつ考察してみよう。

出典:フクリパ
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『都市集中シナリオ』と『地域分散シナリオ』

東京に住む友人たちの中には「もはや、東京にいる意味がなくなった」と、郊外に引っ越す人が出てきた。主に、パソコン1台あればどこででも仕事ができる人たちだが、この流れはコロナ禍で加速しているような体感がある。 新型コロナウィルスのパンデミックが起きる前の2019年、移住への相談や情報の提供を行なっているNPO法人ふるさと回帰支援センターが行ったアンケートでは、東京からの移住相談は4万9千件に上り、福岡県は6位というまずまずの人気ぶりだ。

出典:フクリパ: 2019年移住希望地域ランキング〜ふるさと回帰支援センター

とはいえ、これだけを見れば、地方移住は今にはじまったことではないし、オンラインビジネスの拡大によってここ数年、加速しているのは事実だが、一方で人口減少によって首都圏に人口が集中するという見方もあった。 「2019年6月に行われた研究では、2050年の日本は、『都市集中シナリオ』と『地域分散シナリオ』のどちらに進むのか、その分岐はこれから10年の間に起こるという結果が出ていました」と語るのは、福岡出身で、現在 関東在住のコンセプトクリエイターの小山龍介さん。

出典:フクリパ: コンセプトクリエイターの小山龍介氏

京都大学の広井良典教授が、日立京大ラボの研究チームで行った研究では、政策提言プロセス(図1)の一部にAI技術を活用。

出典:フクリパ

まず、①人口や出生率、②財政や社会保障、③都市や地域、④環境や資源、などの持続可能性や、⑤雇用の維持、⑥格差の解消、およびそこで生きる人間の⑦幸福、⑧健康の維持・増進の観点から、有識者が挙げた「少子化」や「環境破壊」といった149個の社会要因についての因果関係モデルを構築し、その後、AIを用いたシミュレーションにより2018年から2052年までの35年間で約2万通りの未来シナリオ予測を行い、23個の代表的なシナリオのグループに分類しました。 それにより、都市集中か?地域分散か?が、ここ10年ではっきりするという結果に。この分岐以降にシナリオが再度交わることはないといい、持続可能な社会づくりの観点からは、地方分散の方向への舵取りを進めていくことを提言する内容になっているという。 小山さん: ところが、新型コロナウィルスのパンデミックはこの研究の想定外でした。多くの仕事がオンラインに移行したことで、地方都市から東京、世界の仕事をすることも、その逆も可能になってきました。 それはいわば、多くの業界ではじまった、グローバルなチャンスであり、ガチンコ勝負。突然、世界の最前線がライバルになったと言えます 国内のクオリティが通用しなくなる?となると、のんびりしていられなくなるということか?と焦ってしまいそうだが、小山さん曰く、福岡という街、そこで育った人たちには世界に通用するある風土が存在するそう。

お祭り気質と自己主張の絶妙バランスこそ世界クオリティ

福岡県宗像市で生まれた小山さんは、中学1年生のときに愛知県へと引っ越した。そこで改めて福岡という街の持つ性格というものに直面したという。 小山さん: 福岡にいた頃は、先生が質問したらみんな我先に手をあげて答えようとしていました。ところが、愛知県の学校では誰も手をあげない。福岡にいたころのノリで手をあげていたら、すごく目立つ転校生になってしまいました(笑)。

出典:フクリパ

もちろん学校自体の方針もあるのかも、と付け加えつつも、大人になり、海外でも生活してみて改めて感じたことがあるという。 小山さん: さまざまな国、街に住んでみてわかったのが、人の流動性が多いか少ないかによって、あきらかに街に住む人の性格が違うんです。 人の出入りが少ないと、自己主張をせずとも生きていける風土になりますが、福岡は港があり、アジアも近く、昔から人の出入りがある地域。 また、お祭りを通じて外部から入ってくる人を受け入れる体質もあります。そうすると、自らを主張しながらも外部と協同して活躍できる素地が育ちます。

出典:フクリパ

グローバルなチャンスが開けているこの時代に、海外の人とも競争していける人材であるということ。これが福岡人の強みであるという。 小山さん: もうひとつの強みは、アジアとの距離感。東京に住む人よりも断然身近に感じていますから、アジアの玄関口であるということを武器にし、主張できる性格を活用して、ビジネスモデルを練っていくことが重要になってくると思います。

出典:フクリパ

これからの、オンラインビジネスを成功させたいと思う人は、在宅ワーク術を小山さんの著書『在宅HACKS!』で学んでみるのもおすすめだ。

出典:『在宅HACKS!―自分史上最高のアウトプットを可能にする働き方』(小山龍介著・東洋経済新報社)

東京でも話題になる福岡クオリティに嬉しくなることもある

現在、東京で一緒に仕事をしている編集者でライターの岩辺みどりさんと、福岡で情報誌を発行している会社のお仕事に取り組んでいるのだが、そのオンラインミーティングの後で岩辺さんがこう言っていた。

出典:フクリパ: 編集者・ライター岩辺みどりさん

岩辺さん: オンラインミーティングの時に使用されたパワーポイントの資料や1人の人が編集者、ライター、デザイナーなどの枠を超えたマルチクリエイターで、福岡の人は、1つひとつのクオリティも高い。東京は分業化されているから。 また、街がコンパクトで移動距離が短いから、対応が早い。なにより、オープンで気さくな人柄がいい。「仕事」「街」「人柄」3つのクオリティが揃っている。 岩辺みどりさんは東京の一線で活躍しているから、クリエイターを見る目も確か。彼女の意見を聞いてとても嬉しく思った。 —- どこに住んでいても世界の頂点が目指せる時代。主張できる性格とマルチタスクをこなせるスキル、お祭り気質は世界品質。 そもそもの街の構造に加え、このようなビジネスマンたちがいる街だからこそ「コロナ後のビジネスは、強い」のだ。 関東人も驚く福岡クオリティをもってすれば、コロナ禍も乗り越えていけるような気がしている。昨今、福岡に拠点を動かす大企業が続々と発表されているのも納得できる。 文=MARU

小山龍介

出典:フクリパ

コンセプトクリエイター、作家。名古屋商科大学大学院准教授。1975年福岡県宗像市生まれ。京都大学文学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBAを取得。松竹株式会社新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに新規事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立。

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著者情報

成長する地方都市 #福岡 のリアルな姿を届けます。福岡のまちやひと、ビジネス、経済に焦点をあて、多彩なライター陣が独自の視点で深掘り。 「フクリパ」は「FUKUOKA leap up」の略。 福岡で起こっている、現象を知り、未来を想像し、思いをめぐらせる。 飛躍するまちの姿を感じることができると思います。 https://fukuoka-leapup.jp

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