陣痛はどうして起こるの?そのメカニズムについて
出産する上で必ず乗り越えなければならないのが「陣痛」です。早く赤ちゃんに会いたいというワクワク感がある一方で、陣痛の痛みへの不安を感じる人も多くいます。 陣痛とは、胎児を子宮から外へ出すために子宮筋が収縮と弛緩(しかん)を周期的に繰り返すことをいいます。分娩が進むにしたがって陣痛の間隔は短くなり、痛みも強くなっていきます。陣痛が始まるきっかけはまだ明らかになっていませんが、体内で分泌されるホルモンのバランスの変化や胎児の成熟とともに分泌されるホルモンの影響ではないかといわれています。
「陣痛」といってもいろいろあります
「陣痛」にはいくつか種類があり、前駆陣痛・陣痛・後陣痛の3つがあります。 ◆前駆陣痛:分娩発来前に、不規則で強い子宮収縮を認めることがあり、陣痛が始まったと思い誤ることがあります。頻度はせいぜい1時間に2~3回で、分娩が進むほどの強さではありません。前駆陣痛は始まる時期やお腹の張りの程度など、個人差が大きいといわれています。そのため、なかなか気づかない人もいれば「このまま産まれるのかも」と思う人もいます。 ◆陣痛:分娩開始から胎児が出るまでに起こる陣痛。規則的な張りと痛みがあり、分娩が進むにしたがって徐々に間隔が短くなり、痛みが強くなってきます。 ◆後陣痛:分娩が終わった後、子宮が元の大きさに戻る過程で起こる陣痛で、おおむね産後3日程度続きます。不規則で弱いが、経産婦ではかなり強いことがあります。臨床の現場ではあまり使用されませんが、妊娠中に起こる軽い子宮収縮のことを妊娠陣痛ということがあります。不規則で痛みを伴いません。しかし、その中には切迫早産という病気の徴候である可能性もありますので、お腹がよく張る場合は必ず主治医の先生に相談してみてくださいね。
陣痛が始まるかも?気にしておきたい陣痛開始の兆候
いよいよ出産となる陣痛が始まるときには以下のような特徴が見られることが多くあります。 ◆おしるし(粘稠性の少量出血)があった ◆規則的にお腹が張る、腰に痛みが出るようになってきた ◆破水した 破水があった場合には、まだ陣痛が来ていなくても入院になります。すぐに産院に連絡しましょう。破水と尿漏れと区別がつきにくいこともありますので、よくわからない場合も産院に連絡しましょう。また、これらの特徴は必ずしも全ての妊婦さんにあるとは限りませんので、よくわからない場合も産院に連絡しましょう。 分娩時期が近づくと胎動(赤ちゃんがお腹の中で動くこと)を感じにくくなると言われていますが、胎動は赤ちゃんが元気にしている証拠。それを感じられるのはお母さんだけです。いつもと何か違うと感じたら産院に連絡してください。 いざ出産となれば産後のサポートをするためにパートナーや御家族も準備が必要となります。もし当てはまるような変化が見られた場合には身近な人に報告しておくといいですね。