「九州国立博物館」(福岡県太宰府市)の魅力を定期的に発信する「九州国立博物館だより」。今回の2月・3月号では、展示室での特集展示と、今年度唯一開催している特別展の情報を中心に紹介します。
【特集展示】「天神縁起の世界」へようこそ
会期:令和3年2月2日(火)~3月28日(日) 4階文化交流展示室 第11室
太宰府ゆかりの学問の神さま・菅原道真公。その生涯や没後の話をまとめた「天神縁起」は全国各地へ広がり、ここ福岡でも個性豊かな天神縁起が作られました。親しみのある道真公の姿に迫ります。 ※本編では一部作品を、前期:2月2日(火)~2月28日(日)・後期:3月2日(火)~3月28日(日)で展示替えいたします。
<第1章> 天神縁起のはじまり ~幻の古縁起~
近世に至るまでの太宰府における天神縁起制作の歴史をたどります。
重要文化財 天満宮安楽寺草創日記(てんまんぐう あんらくじ そうそう にっき) ※部分
角東北院信順筆 年代:室町時代・永録2年(1559年)写 所蔵:福岡・太宰府天満宮
第2章 ご当地縁起の誕生
天神縁起の大きな特徴は、バリエーション豊かなことです。ひと口に天神縁起と言っても、その内容は同一ではなく、時代を経るごとに多様化していきました。人々に親しまれた風景や説話が盛り込まれたご当地縁起を紹介します。
重要文化財 松崎天神縁起絵巻(まつざき てんじん えんぎ えまき)巻第6 ※部分
年代:鎌倉時代・応長元年(1311年) 所蔵:山口・防府天満宮 展示期間:前期(2月2日~2月28日)
第3章 太宰府ゆかりの天神縁起
近年あらたに見出された作例も含め、ご当地縁起の中でも、とりわけ豊かな内容を持つ太宰府系天神縁起をご覧いただきます。
天満宮縁起画伝 てんまんぐうえんぎえでん(延寿王院本 えんじゅおういんぼん)第6幅 ※左 天満宮縁起画伝 てんまんぐうえんぎえでん(満盛院本 まんじょういんぼん)第4幅 ※右
天満宮縁起画伝(延寿王院本)第6幅 ※左 泊守治筆 年代:江戸時代・18世紀 所蔵:福岡・太宰府天満宮 展示期間:後期(3月2日~3月28日) 天満宮縁起画伝(満盛院本)第4幅 ※右 年代:江戸時代・19世紀 所蔵:福岡・太宰府天満宮 展示期間:前期(2月2日~2月28日)
第4章 さまざまな天神さま
中世以来描き継がれてきた多彩な天神さまの姿をご紹介します。
綱敷天神像(つなしきてんじんぞう)※左 天神飛梅図(てんじんとびうめず)※右
綱敷天神像 ※左 祖参賛 年代:南北朝時代・延文5年(1360年) 所蔵:東京・常盤山文庫 展示期間:前期(2月2日~2月28日) 天神飛梅図 ※右 狩野山雪筆 年代:江戸時代・17世紀 所蔵:九州国立博物館
【特別展】奈良・中宮寺の国宝
会期:令和3年1月26日(火)〜3月21日(日) 3階特別展示室 観覧料:一般 1,800円、高大生 1,200円、小中生 800円
奈良斑鳩の地に飛鳥時代に創建された中宮寺は、聖徳太子やその母と関わりの深いお寺です。本尊の国宝「菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしゆいぞう)」は飛鳥時代の最高傑作であると同時に、わが国を代表する彫刻としても名高く、そのおだやかな微笑は多くの人々を魅了してきました。このご本尊をはじめ、聖徳太子が亡くなられたことを悼んで作られた国宝「天寿国繍帳」など、中宮寺の寺宝の数々が紹介されます。
入場には、オンラインによる事前予約が必要
詳細は以下のホームページよりご確認ください。
国宝 菩薩半跏思惟像(伝如意輪観音 でんにょいりんかんのん)
優しいまなざし、静かなほほえみは、人々の心を惹きつけてやみません。背筋を伸ばした凜とした姿には穏やかさの中にも威厳が感じられます。 年代:飛鳥時代 7世紀 所蔵:奈良・中宮寺 撮影:佐々木香輔
花鳥散図襖(かちょうちらしずふすま) 表御殿上段の間
時代:江戸時代・18世紀 所蔵:奈良・中宮寺 撮影:佐々木香輔
中宮寺本堂
撮影:佐々木香輔
九州国立博物館ミュージアムコンサート
福岡県在住のアーティストが九博の1階エントランスでコンサートを行います。くつろぎのひと時をお過ごしください。 場所:1階エントランス 時間:①13:00~ ②15:00~(各回30分間) ※申込不要・無料
2月6日(土)村上ふみ ヴァイオリン & 國友章太郎 ピアノ 2月13日(土) 小林知加 アルパ(ハープ) 2月20日(土) 里地帰(さとちき) 二胡 2月27日(土) 須山陽子 ピアノ 3月13日(土) 川波幸恵 バンドネオン 3月20日(土・祝) 田口悌治 ギター & 丹羽肇 ベース
九州国立博物館
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2 営業:9:30~17:00(入館は16:30まで) 休館:月曜日 電話:050-5542-8600(NTTハローダイヤル 8:00~22:00)