モノがあるから私は不幸…「断捨離依存症」の怖い話

不要なものを減らし、必要なものだけに囲まれたバランスのとれた生活をしたい! そんなスッキリ生活に憧れる人も多いのではないでしょうか。 本屋にいけば、魅力的な片づけ本がたくさんあり、それらの1冊や2冊は誰でも手にした覚えがあるはず。 ただ、どんなによい方法でも、薬も過ぎれば毒になるということもあるのです。

ついにここまで来てしまった「断捨離依存症!」 かなり衝撃的だったので、今日はそのことについて・・・・・・ 昨年、明石さんまさんの番組で、タレントの島崎和歌子さんが、断捨離依存症の疑いがあるのでは?といわれていました。 島崎さんいわく、「何でも捨てちゃう。いいと思ってやっている。もう何もいらない」 現在のご自宅は、天井の電気も全部抜いて、夜は真っ暗な中で、携帯の明かりだけで過ごしてしているそうで、手元さえ明るければもう、十分なんだとか。 もちろん、島崎さん自身は、自分が依存症だなんて、夢にも思っていないようでした。 このように「断捨離」を過度に行い過ぎる人が、今とても増えています。 世間では断捨離や片づけをすると幸せになれるという風潮が広がっていて、逆に言うと、片づけないと不幸になる。不幸なのは片づけない(られない)せいなんだと思い込んでいるのです。 モノがあるから私は不幸。だったらモノを減らそう。もっともっとと、はたからみても、ちょっとあなた大丈夫? と思うような、過激な行動にでてしまう。当の本人は、その行動が行き過ぎているという自覚が全くないのも特徴です。 最初は、今までモノに執着し、何も捨てられなかった自分が、次々にモノを処分できるようになったことが、とても嬉しく誇らしく感じられます。ゴミ袋が増えるたびに、もっと捨てられるはずと、ワクワクしてきます。これは、ランナーズハイと一緒で、私は捨てハイと呼んでいます。ここくらいまでならいいのです。それがもっと捨てたい、さらに捨てたい! もっともっとと、捨てるモノを一日中探すようになってしまうと、かなり危険なです。 モノへの執着を手放しすっきりするはずが、今度はモノをもたないことへの執着にとりつかれてしまう。モノが増えることを異常に恐れるようになっていきます。やがて家族のものも、こんなものもういらない! と勝手に処分するなど、最悪の方向に進んでいきます。 実は、床が足の踏み場もないくらいモノで埋め尽くされた「汚部屋」と「断捨離依存」というのは、心理的には同じです。生活していく上で、自分にとって丁度良いモノの量というのが、わからなくなっているのです。

出典:Ulrike MaiによるPixabayからの画像

こんなテレビドラマがありました。 モノを捨てることで、自分の欲しかった状況や地位を次々と手に入れていく地方アナウンサーの主人公。さらに自分の理想に近づきたいと、モノを捨てまくり、東京のテレビ局の仕事が決まります。その時に、地方で付き合っていた彼氏は仕事の邪魔だからと別れてしまいます。華々しく送っている東京でのアナウンサー生活。順調そうにみえるのですが、もっと上に行きたい、もっと注目されたいという欲が湧いてきます。私が上にいけないのは、モノのせいだと、さらにモノを捨てまくる日々。最終的にライバル視していた先輩アナウンサーが邪魔で自分にとっていらないからと、殺めてしまい、自分自身もベランダから捨ててしまう(飛び降りてしまう)というストーリーでした。 観ていて正直ぞっとしました。欲しい物を手に入れたいと、欲望が際限なく広がり、満足することがないのです。もう十分すぎるくらい、欲しい物も、地位も手に入れているというのに、そこに気付けなくなっているのです。 断捨離依存症の女性は、自分に彼氏ができなかったり、結婚ができない理由は、モノが多いせいだと、問題をすり替える傾向があります。 モノを捨てるだけでは、決して幸せにはなれません。 私は、片づけというのは、モノのいる・いらないの選択をしながら、同時に仕事・プライベート・人間関係などのいる・いらないを選択する、心の整理法だと捉えています。 そこに「不幸なのはモノのせい」という発想がありません。 そういう発想をもっている限り、自分の思い通りにならないことがあると、「まだまだモノがあるせいだ、あー捨てなきゃ!」と、幸せになるためと称して、モノを捨て続けるしか選択肢がなくなってくるのです。揚句、電気も取り外し、真っ暗な部屋で暮らし、それをおかしいと思わないというところにまで行きつきます。 これは、ただイヤな事をモノのせいにして、逃げているだけ。本当に向き合わないといけないのは、イヤなことが起こった時に、自分の心にどう片をつけるかなのです。 自分の今の状況をモノのせいにせず、 片づけることで、心の中のモヤモヤを、モノと一緒に整理していく。 片づけをそう捉えることができれば、過度に幸せを追い求めることもなくなります。 せっかくのよい薬を毒にするかどうかは、自分とどれだけ真摯にむきあえるかどうかなのではないでしょうか。

美収納コンシェルジュ園藤ふみ

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