赤ちゃんがやってきて、はじめて知ったことが多々あります。離乳食のお粥は、10倍粥からはじまること。赤ちゃんにチョコレートを食べさせてはいけないこと。たくさんのルールに悪戦苦闘しながら、ママ達は赤ちゃんを育てています。そんな中、離乳食にとんでもないものを食べさせているママと出逢い、衝撃を受けました…。
オーガニックにこだわるママ友
ベビーマッサージ教室で、出逢った20代のママ・Aさん。偶然、子供の誕生日が一緒で、出産した病院も一緒だった為、
「もしかして、分娩室ですれ違っていたり、授乳室で隣に座っていたかもしれないね」と盛り上がり、急速に仲良くなりました。
当時、一人目を出産したばかりで、生後3カ月の赤ちゃんを育てている私にとって、子育ては未経験で未知の世界。毎日「本当にこれでいいのかな?」と不安に思うことも多く、育児書と睨めっこ。子育て支援施設のスタッフや、保育士さん、先輩ママに頻繁に育児相談をしては、分からないことを解決していました。
Aさんも、はじめての育児にこだわりを持って、奮闘していた様子。ベビー服やおくるみ、タオルは、すべてオーガニックリネンで、化学繊維の入っているものは一切使わない徹底ぶり。赤ちゃんが口に入れるオモチャは、そのつど、除菌シートで消毒するほど、神経質になっていました。
さらに母乳に栄養がいくように、Aさんが食べる食材もオーガニックの良い物にこだわっていた様子。ジャンクフードや油物、外食は一切禁止。和食中心のヘルシーな食生活を送っていると話していました。
離乳食がスタート
その完璧な産後の生活に、「息がつまらないのかな?私は真似できそうにないな」と驚きながらも、感心していました。 それから数カ月経ち、お互いの赤ちゃんが生後半年を過ぎた頃、離乳食が始まりました。私は、病院の離乳食教室で、離乳食の基本を学び、離乳食のレシピ本を見て、少しずつ離乳食を進めていました。
最初は薄いお粥からはじまり、とろみのあるお粥に変わり、野菜のポタージュや、柔らかくした食材のペーストなど、食べられるものが少しずつ増える日々。ほっぺたが落ちそうなくらいプクプクの丸い顔や、ちぎりパンのようにムチムチの腕や太もも、わが子のぷっくりした体が、自分の作った料理と母乳で出来ているのだと思うと、なにかくすぐったいような嬉しい気分になるのでした。
子どもが生後10カ月になり、すっかり離乳食になれてきた頃、久しぶりにAさんから連絡がきて、会うことに。Aさんは開口一番、
「離乳食進んでる? うちの子、離乳食を全然食べてくれなくて、未だにおっぱいばっかり! 今、どんなものを食べさせている?」と尋ねてくるので、最近の離乳食の献立を伝えました。
その頃、わが子が食べていたのは、野菜のペーストが入った蒸しパンや、手づかみで食べやすいオヤキなど。一般的な離乳食のレシピ本に書いてあるものばかりです。
離乳食で小籠包?!
それを聞いてAさんは
「うちも同じような物なのに、全然食べてくれないの…。この前は小籠包をあげたんだけど、嫌がるし、菓子パンは握りつぶして食べないの」と言うではないですか!
0歳児に小籠包!? びっくりして聞き返すと
「だって、スープと柔らかいお肉、ふわふわの生地だよ。ちゃんと冷ましたよ?」と大まじめ。菓子パンも、チョコレートやクリームがたっぷり入ったパンで、離乳食が進んでいない0歳児が食べるものではありません。
さらに詳しく離乳食のことを聞くと、定番のお粥ですら作ったことがないと発覚。Aさんの子どもは、離乳食を食べてくれなくて、母乳ばかり飲んでいるので、わざわざ離乳食を作るのが面倒になってしまったようです。
慌てて、病院の離乳食教室に行くように勧めましたが、
「面倒だなぁ… でもいつか食べるでしょ? 歯は生えているんだし」と投げやり。赤ちゃんが小さい頃、あんなにオーガニックにこだわっていたのは、なんだったんだ・・・ と愕然としてしまいました。
Aさん自身は悪い方ではないのですが、育児の方針が違いすぎて、今はフェードアウトしています。
(ファンファンファン福岡一般ライター)