レクルンでは、今年度から毎月1回「カガクレク」というイベントをスタートしました。
5月も、大絶叫&大成功で終えることができました。 子どもたちの「理科離れ」が心配されていますが、実際は子どもの科学(化学)・生物などへの興味は非常に高いと思います。 大切なのは、理科の面白みを純粋に感じさせてあげて、「他の不思議も知りたい!」という気持ちを持ち続けられるような体験をさせてあげることです。 5月のカガクレクでは、ご家庭で準備できるものを材料にした実験を行いました。 理科=難しい思いがちなのは、身近に感じにくいからかもしれません。 しかし、水・空気・熱・電気・音などなど、科学のもとになるものは身の回りにあるものばかりです。 【実験のご紹介】 今回は、5月のカガクレクで行った実験をご紹介します。 お家でも簡単に準備できますので、是非試してみてください! ①コップの中の逆さまの水 ◆準備 ・コップ(小さめのもの) ・はがき ・網(目の細かいもの) ・洗面器など ・水
◆やり方と結果 (やり方) ・コップに水を入れる。 ・はがき(もしくは網)をコップにかぶせ、手でしっかり押さえて逆さまにする。 ・押さえている方の手をそっと離す。 ※濡れてもいい場所で行いましょう。網で押さえるときは、できるだけ水平に。 (結果) ・手を離しても水はコップに入ったまま!下にこぼれません!
◆なんでこうなる? ものには常に空気の圧力(大気圧)がかかっています。 はがきなどでフタをすることにより、コップの中の水に対して大気圧が均等にかかります。 また、コップの中では、液体を内側に引っ張り込もうとする力(表面張力)がはたらいています。 この2種類の力によって、水はコップの中にとどまっているのです。 ②割れない風船 ◆準備 ・風船 ・竹串など先のとがったもの ・セロハンテープ ・マジック
◆やり方と結果 (やりかた) ・3つ風船を3つふくらませる。 (A)何もしていない風船 (B)1ヶ所マジックをぬった風船 (C)1ヶ所セロハンテープを貼った風船を用意する
・(A)は頭の部分、(B)はマジックをぬった部分、(C)はセロハンテープを貼った部分を竹串で刺す。 ※竹串を使うときは先端に注意しましょう。風船はパンパンにふくらませると失敗するので、8割程度の大きさにします。 (結果) (A)割れない (B)割れる (C)は割れない
◆なんでこうなる? 風船の頭の部分と空気口の部分は、ゴムが他より厚いですね。 竹串で刺すと串が穴をふさぎ、さらにゴムが内側にめりこんで“栓”の役目をするため割れません。セロハンテープも、同じ原理です。 穴は開いているので、串を抜けば空気は漏れますが、そのときも割れるのではなく、「シューッ」としぼんでいきます。 ③ビー玉のアルミ卵 ◆準備するもの ・ビー玉 ・アルミホイル ・紙コップ ・セロハンテープ
◆やり方と結果 (やりかた) ・折り紙くらいの大きさに切ったアルミホイルの中央にビー玉を置き、三つ折りにして包む。
・さらに三つ折りにして、端を合わせて、セロハンテープでとめる。
・アルミホイルを紙コップに入れ、さらに紙コップでフタをする。
・紙コップを30秒くらい振ってから、アルミホイルを取り出す。 ※アルミホイルが小さすぎるとうまくいきません。形は正方形でなくてもできます。 (結果) 中が空洞の、卵のようものができあがります。できあがった卵をトレイなどにのせて揺らすと、“おきあがりこぼし”のような不思議な動きをします。
◆なんでこうなる? 紙コップを振っても、中のビー玉はそれに合わせては動きません。 アルミホイルの内側にいろいろな向きでぶつかるうちに、丸い形を作っていきます。 (紙コップを透明なプラカップに替えると、アルミホイルが少しずつふくらむ様子を見ることができます。) トレイの上での動きは、ビー玉は普通に転がっているのですが、アルミの卵がいびつな形をしているので、スムーズな動きにならず、カタコトした不思議な動き方になります。 実験によって培われる3つの力 実験によって、まず育つのは「先を予想する力」です。これは、正解かどうかということより、自分のもてる知識で組み立てて考えるためのトレーニングとして大事なプロセスです。 次に「観察する力」。これは文字通り、物事の結果を把握する力です。 そして「検証する力」。これは「なぜこうなったのだろう?」と、予想・結果を照らし合わせて理論を導き出す力ということになります。 ただし、特に幼児期の実験遊びはこの「検証」に重きを置く必要はありません。今はまだ、理論よりも感動が大事です。「どうなるかな?」と一緒に考え「こうなった!」という驚きを共有してあげてください。 また、手順通りに行わなければ成功しないのが実験です。 「話をきちんと聞き」「覚えて」「段取りに従って行う」という、日頃の生活にも活かされる力を育てることもできます。