福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第48回福岡キミスイ本】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。48回目は未来屋書店 香椎浜店(福岡市東区)の店長 三戸嘉貴さんと薄節子さんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の7冊を紹介します。

目次

福岡の歴史をひもとく! 街歩きにおすすめの一冊

「福岡路上遺産 身近に残る歴史の痕跡」 Y氏(山田孝之)著

未来屋書店 香椎浜店 スタッフの薄節子さん(左)と店長の三戸嘉貴さん(右)を訪ねました

今回三戸さん、薄さんが紹介されるのはどんな本でしょうか?
 Y氏こと山田孝之さんの「福岡路上遺産 身近に残る歴史の痕跡」(2016年1月/2018年12月海鳥社発行、1,870円、税込み)です。福岡の歴史の痕跡をはじめ、昔と今の違いを写真付きで分かりやすく解説しています。最後のページにはロードマップが付いているので、この本を片手に街を散歩してみるのもオススメです。

「福岡路上遺産 身近に残る歴史の痕跡」 Y氏(山田孝之)著

この本を選んだ理由を教えてください。
 もっと地元のお客さんに福岡のことを知ってほしいなと思い、今回選びました。他県から訪れた人や福岡に住むことになった人はもちろん、昔から福岡に住んでいる人も親しみやすい一冊かと思います。

三戸さんお気に入りのページ。写真がきれいで見やすいのも特徴

―三戸さんはこの本を読んで、実際に街歩きをされたとか?
 はい。もともと他県出身ということもあり、この本をきっかけに福岡をもっと知ろうと出かけてみました。中でも特に印象的だったのは「サザエさん通り」。野良猫を追いかけたのが福岡だったことを初めて知りました。理由も結構深かったので、面白かったですよ。

―この本をどんな人にオススメしたいですか?
 年齢層は問いませんが、特にオススメしたいのは若い世代の人たちですね。普段何気なく目にしている場所の由来などを知ることで昔を感じられます。また、年配の人が読むと懐かしんでもらえるかもしれません。あとは、やっぱり最近福岡に来た人にぜひ読んでもらいたいです。

10月14日に新しくなった未来屋書店 香椎浜店
(提供:未来屋書店 香椎浜店)

―未来屋書店 香椎浜店について教えてください。
 当店は2002年にオープンし、今年10月14日にリニューアルオープンしました。売り場面積が1.6倍になり、本の蔵書数は1.8倍の約9万冊に。文具アイテムも約2倍となり、イラストを描くためのペン「コピック」やジグソーパズルなど、おうち時間を楽しめる商品も新しく加わりました。

―今後どんな書店にしていきたいですか?
 より地域に根ざした、愛される本屋でありたいと考えています。今回紹介した「福岡路上遺産 身近に残る歴史の痕跡」も、現在新しく設置された「地元誌コーナー」(お問い合わせカウンター付近)に置いてあります。ぜひ手に取ってみてくださいね。

―ありがとうございました! 福岡で活躍する著者が深堀りする福岡の歴史。何か新しい発見がありそうですね。続けて話題の7冊を紹介します。

「歩きながら考える」【中央公論新社】

ヤマザキマリ著/990円(税込み)

提供:中央公論新社

 パンデミック下、日本に長期滞在することになった「旅する漫画家」ヤマザキマリ。思いがけなく移動の自由を奪われた日々の中で思索を重ね、さまざまな気づきや発見がありました。倫理の異なる集団同士の争いを回避するためには? 先行き不透明な世界で、私たちはどう生きていけば良いのか? 自分の足で歩き続けるための実践的指南書です。

「やっかいな食卓」【小学館】

御木本あかり著/1,650円(税込み)

提供:小学館

 専業主婦として家庭を支えてきた料理上手の姑。フードスタイリストだが日々の食事は簡素でよしという嫁。一つ屋根の下で二つの食卓がぶつかり、やっかいな出来事が次々と勃発します。69歳大型新人作家による、旨味と滋味にあふれた家族「食」小説です。

「抹茶のおやつ100」【光文社】

福田淳子著/1,870円(税込み)

提供:光文社

 抹茶ホイップといちごのフルーツサンドなど手軽に作れるものをはじめ、「ボウルで混ぜる&焼くだけ」の抹茶マドレーヌや抹茶いちご大福といったおやつのほか、少し手の込んだ焼き菓子の抹茶台湾カステラや抹茶シフォンケーキなど、抹茶のアレンジが楽しめるレシピ集。自宅でできる簡単な「抹茶のお菓子」を難易度付きで紹介しているので初心者でも試せます。

「きくち体操『心』の教室」【青春出版社】

菊池和子著/1,650円(税込み)

提供:青春出版社

 テレビや雑誌で「奇跡の体操」と話題の「きくち体操」。実はただの体操ではないことをご存じですか? 「動くことは、なぜ心と体によいのか」という疑問からスタートし、体に対する意識の向け方や考え方といった「心の習慣」があってこその「きくち体操」なのだとか。本書はそんな「心」の部分にはじめてスポットを当てた、いわば「読む」きくち体操です。

「予約の取れない漢方家が教える 病気にならない食う寝る養生」【学研】

櫻井大典著/1,595円(税込み)

提供:学研

 「毎日○○を食べて健康になる」 などの健康法、実はあなたに合っていないかもしれません。本書では、人気漢方家・櫻井大典さんが健康にまつわる新常識を伝授します。食事と睡眠をよくすれば、不調が消え、心も安定し、病気にならない体を手に入れることができるとか。簡単で、ゆるく実践できる健康法をぜひあなたも学んでみては。

「迷犬マジック(2)」【双葉社】

山本甲士著/792円(税込み)

提供:双葉社

 出会った人に小さな奇跡をもたらす“スーパーわんこ小説”に、待望の続編が出ました! 黒柴の迷い犬「マジック」と一緒に過ごすと、新たな出会いや未来への希望など、さまざまな福が舞い込むとか。「マジック」に出会えば、あなたにも奇跡が起こるかもしれません。

「『集落の教科書』のつくり方」【農文協】

田畑昇悟著/1,540円(税込み)

提供:農文協

 「集落の教科書」は地域と移住者のミスマッチを防ぎ、「移住するまで知らなかった」を「移住前から知っていた」に変えるガイドブック。そのつくり方を徹底解説します。移住者にとって必要な情報を「強いルール」、「ゆるいルール」、「消えつつあるルール」、「慣例や風習」、「改善に向けて考え中」の5つのアイコン付きで示した一冊。

 いかがでしたか? 秋の夜長に読みたい、お気に入りの一冊を見つけては。次回もお楽しみに。

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