暗闇の中を縦横無尽に動く蛍光色のコマ。スピードが上がったかと思えば急に空中で止まり、次の瞬間にはまた音楽に合わせて動きだす。そこにタップダンスが加わり、会場には手拍子が巻き起こります。砂時計型のコマを巧みに操る「ディアボロ」で、世界中の観客を魅了している望月さん。福岡で得た技術やジャグリングへの思いを語ってもらいました。
福岡の大学に通っていたそうですね。 九州大学の芸術工学部出身です。そこで「自分にしかできない作品」を生み出すため、タップダンスとメディアアートを学びました。メディアアートとはコンピューターで作った映像作品のことです。プロジェクターで会場の壁に映して、幻想的な空間を演出しています。ジャグリングは演芸だと思われがちですが、僕にとっては芸術でもあるんです。 2015年には世界一になりました。 会場は優勝候補が簡単なミスをするほどの緊張感でしたが、思い切ってタップを踏みました。ディアボロの技術だけを競う大会なので、採点には関係ないんですけどね(笑)。僕のジャグリングのテーマは「誰にもできないパフォーマンスを」なんです。だから演技にもオリジナリティをもたせています。たとえば、スーツを着てタップダンスを踏みながら、サラリーマンの苦悩を表現するジャグラーなんて見たことないでしょう? これからも世間をアッと言わせるような作品をつくり続けたいですね。 Profile ジャグリングアーティスト 望月ゆうさくさん 1988年、静岡県生まれ。13歳からジャグリングをはじめた。近年では「東京オリンピック開催50周年式典」や「カンヌ国際映画祭」に出演するなど、国内外問わず活躍している。