「碁会所に行ってくる」 昭和のアニメやドラマなどで中高年男性のこんなセリフを聞くことがよくありますが、いまや「囲碁」を楽しむのは中高年男性だけではありません。最近は若い女性たちの間でも人気で、囲碁普及活動の活性化を図るための“囲碁ガール”も誕生。福岡市では毎週水曜日の夜、若い女性がインストラクターを務める「囲碁カフェ」が開催されているそうです。 「碁会所」ならぬ「囲碁カフェ」とは―。その実態を知るべく、さっそく囲碁カフェを訪ねてみました。
福岡市・中洲の歓楽街にほど近い「on LA CAFE」。普通に女子会などが行われそうなオシャレなお店で「囲碁カフェ」は開催されていました。 東京・麹町にあるダイヤモンド囲碁サロン(DIS)が2003年に始めた交流会の福岡版で、福岡では2015年から「DIS交流会 チーム福岡」として開催されているそうです。 出迎えてくれたのは、インストラクターを務める嶋田愛里さん、轟あゆみさん、村上絢音さんの3人。それぞれアマ5~6段の実力の持ち主で、みなさん浴衣姿でした。「7~8月はみんな浴衣姿で。季節に応じて服装を変えるなど、お客様に楽しんでもらえる企画をいつも考えています」。単なるインストラクターではなく、こうしたおもてなしの気持ちの表れが、囲碁ファンのみならず、多くの人たちの心を掴み、囲碁への興味を掻き立ててくれるのかもしれません。
囲碁カフェは、18:30にオープン。1人また1人とカフェを訪れ、インストラクターと碁を打ったり、客同士での対戦を楽しんだりしていました。 私はというと、まったくの初心者。五目並べぐらいしかしたことがありませんが、それすらルールを覚えていない状態です。そんな私に、“囲碁ガール”の嶋田さんが基本の「き」から分かりやすく教えてくださいました。
囲碁ガールとは、日本棋院九州本部が囲碁の普及活動を活性化する目的で2015年7月から始めた普及支援員制度の通称。囲碁ガールのカレンダーなどもあり、活躍の幅を広げています。 さて、囲碁は通常19路盤(19×19)で行われますが、初心者向けに9路盤(9×9)を使って教えてもらいました。 「囲碁は文字通り『囲』むと石がとれるんです」 なるほど。シンプルで分かりやすい。いろいろと難しいルールもあるのでしょうが、本質的なことを抑えておくことが肝心です。
嶋田さんは小学2年生のとき、漫画『ヒカルの碁』をきっかけに囲碁と出会ったそうです。そのまま囲碁の面白さにはまり、地元の碁会所に通うようになった嶋田さんは、やがて全国大会に出場するほどの実力者に。現在は、囲碁の楽しさを広く伝えるため、囲碁カフェのインストラクターや、「囲碁ガール」(日本棋院九州本部 普及支援員)としての活動に取り組んでいるそうです。 こんな風に会話を楽しみながら囲碁の世界に触れあえるのも囲碁カフェの魅力です。3月から通っているという会社員女性は「たまたまインターネットで囲碁カフェを知り、面白そうなので通い始めました。碁会所は敷居が高そうですが、若い女性のインストラクターに囲碁を教えてもらえるし、囲碁をしていると相手の考え方を読むようになるので、仕事上でのコミュニケーション力向上にもつながっています」と話していました。
気が付けばあちこちのテーブルで囲碁を楽しんでいる光景が広がっていました。
カフェの参加料金はワンドリンク付きで男性が2500円、女性が2000円。初心者でしっかりと指導してもらいたい人には、1局1500円で指導してもらえるプランもあります(予約制)。 囲碁を通じた異業種交流も楽しめるなど、新たな趣味を持ちたい人や人脈を広げたい人にとってももってこいの「囲碁カフェ」。みなさんもぜひお気軽に足をお運びください。 DIS交流会 チーム福岡 日時:毎週水曜日 18:30~21:00ごろ ※祝日の場合はお休み 場所:on LA CAFE 住所:福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多1F TEL:092-283-5257 料金:女性2000円、男性2500円 ※ワンドリンク付き 指導碁:1局1500円(予約制)18:30~19:45、19:45~21:00の2回 ★フリーペーパー『碁的』にも注目★ 年に1回フリーペーパー『碁的』が発行されています。最新号(7月14日号)には、嶋田さんも登場。囲碁を知らない人でも面白く読める媒体です。
福岡では、日本棋院九州本部やDIS交流会チーム福岡、on La cafe、はかた駅囲碁広場で配布中。ぜひお楽しみください。
※情報は2017.8.4時点のものです