かつて「第二の中洲」と呼ばれた街「雑餉隈」を歩いてみた

一昔前、「山手線ゲーム」がコンパなどで流行しましたが、福岡の「西鉄電車沿線ゲーム」があったら、どれくらいの人が駅名を言えるでしょうか。福岡(天神)、薬院、平尾、高宮、大橋、井尻…ここまでは何となく福岡市内で都心のイメージがありますが、井尻の次が「雑餉隈(ざっしょのくま)」。ここは福岡市博多区と大野城市にまたがる地域で、その珍しい読みからも、地元に住んでいても一度は訪れてみたいと思う何やら妖しい魅力を持った町なんです。今回は、そんなディープ・スポット 雑餉隈を訪ねてみました。

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まずは「雑餉隈」とは?

出典:ファンファン福岡

そもそも「雑餉隈」ってどんな意味があるのでしょうか。さっそく広辞苑で調べてみたところ、「雑餉」は「もてなしのための酒や食物。雑掌」とありました。また、「隈」には「道や川などの湾曲して入り込んだ所、奥まって隠れた所。すみ」という意味があるようです。このようなことから「雑餉隈」は、もともと宿場町として旅人をもてなす旅館や飲食店が並んでいた地域だったのではないかと考えられます。

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「雑餉隈」に足を運んでみました

さて、かつては「第2の中洲」と呼ばれたこともある雑餉隈。駅を降りてすぐ「銀天町商店街」がありますが、1960年代には映画館もあり、祭りの際にはサーカスも来たという話も。その面影は残っていませんでしたが、なかなか味わい深いお店が並んでいました。

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いざ「銀天町商店街」の中へ

商店街を歩くと、「雑餉隈」の名前を活かした街おこしをしているんだなーと思われる貼り紙を発見。

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「よござっしょ通り」。「よござっしょ(よいでしょう)」という言葉に雑餉をかけたのでしょうが、雑餉隈では毎年6月と11月の2回、「よござっしょ はしご酒大会」というイベントも開催されているようです。はしご酒チケット(1枚1000円3枚綴りで3000円)を購入し、参加各店舗の「はしご酒メニュー」が注文できるお得なイベント。今年6月が13回目だったようですので、数年前から続いているようです。11月に注目です! そして「こぐまスタンプ」。

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おそらく、雑餉隈を盛り上げるためのイメージキャラクターなのではないかと思われます。商店街の複数の店舗にこの貼り紙があったので、きっとスタンプを集めるとお得なことが起きる仕掛けがあるのだと思います。 それにしても、「雑餉隈」の「ざっしょ」や「くま」をとって地域のブランディングを図る姿勢に地域愛を感じます。商店街にはこんな看板もありました。

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雑餉隈がどんな歴史を歩んできたのか詳しくは分かりませんが、宿場町、歓楽街を経て、いまは地域の人たちの憩いの場、にぎわいの場を目指しているような心意気が感じられました。

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あなたも散策してみませんか?

「平成」の世もそろそろ終わりに近づく中、まだまだ昭和の香りがたっぷりと漂う雑餉隈。歩けば懐かしい光景が広がっています。みなさんもぜひ立ち寄って散策してみてくださいね。

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