小さな子どもの言い間違いはよくあること。一生懸命に話すその姿もかわいいですよね。わが家の長女は言葉を覚え始めた1歳代からよく喋るほうで、聞いた言葉をどんどん吸収しては、マネをして発語することの繰り返し。そんなある日、とある親の口癖を披露し、母の私が赤っ恥をかいたお話です。
かわいい子どもの言い間違い
子どもが何かを伝えようと頑張っていたり、喋っている途中で言い間違ったりする姿は、何ともかわいらしく癒やされます。わが家の長女も「エレベーター」を「エベレーター」、「ごちそうさまでした」を「ごちました」などのよくある言い間違いを一通り経験してきました。
しかし、はじめのうちは指差しなどの動作を伴いながら単語レベルで間違えていたものも、成長とともに文脈や背景から意味を推測しないとだんだん理解が追いつかなくなるように…。言いたいことを親が理解してあげないと癇癪にもつながるので、こちらも意図を汲み取るのに必死で対応していました。
何でもマネしたいお年頃
2歳になり、ますますいろいろな人の言葉を聞いては、意味も分からず自分ごとのように復唱するようになった娘。ときに、周囲の大人たちから
「そんな言葉も知っているの? すごいね!」と褒められることで、だんだんと“オトナのマネ”の味をしめていくようになりました。娘はおしゃべりを楽しんでいる様子で、次から次へと大人の発言をマネしていきます。
「ジメンダ!」発言で病院での恥ずかしい一幕
ある日、予防接種で行った小児科でのこと。突然、娘が待合室のテレビに向かって、
「ジメンダ! ジメンダ!」と叫びだしました。初めて聞く発語に、私の頭の中は「?」でいっぱいに。
「ん~~?? 娘ちゃん、どうしたの?」と聞きました。
それを見て「自分の言いたいことが通じていない」と悟った彼女は再び、
「ジメンダ! ジメンダ!!」と更に口調を強めて必死のアピール。ふと指差すほうに視線をやると、テレビに映っていたのは昔懐かしい洋画アニメ。ネコがいたずらっ子の茶色いねずみを追いかけ回して、画面中を右へ左へ駆け回っています。何だか大事のように驚いている娘の様子にピンときた私。
「あー、事件だ! って言いたかったのね。よく言葉を聞いているね~!」と思わず大きな声で感心していました。娘は、私の
「事件だ! 事件だ!」という口癖をマネしていたのです。
と同時に、周りのお母さんたちがクスクス笑っていることに気がつき、感心したのも束の間、小声で
「そうだね、事件だね…」と返事をするにとどめる私。普段からおっちょこちょいな私は、生卵を盛大に落として床を汚したり、リモコンを落として大破させたりと、何かとやらかすタイプ。
何かが起こったときは無意識に
「あーもう。事件だ! 事件だ!」と言いながら後始末をすることが習慣化していました。そんな私の姿を見て子どもなりに、何か大変なことが起きた時に使う言葉だと体得したのでしょう。
しかし、小さな子どもが「事件だ!」というセリフを覚えて多用してしまったら、きっと周りの大人たちはびっくりするに違いありません。自分にとってはちょっとした口癖でも、子どもにとっては影響が大きいということを経験して反省。それ以降この口癖をやめたのは言うまでもありません。
(ファンファン福岡公式ライター/西本結喜)