趣味がないのは味気ないけれど、多趣味なのも考え物。夫は休日のたびに趣味に時間を割き、家にほとんどいません。息子が幼い頃は「パパ行かないで!」と泣いていたのですが…。今回は、息子が夫に取った冷たい対応についてお話しします。
趣味人間のパパ VS 引きとめたい息子
体を動かすことが大好きな夫は、休日のたびにサーフィンやスキー、フットサル、格闘技ジムなどへ出かけて、一日中不在です。息子が生まれても趣味人間ぶりは変わらず。私も「息抜きは必要だしな」と諦めていました。
しかし、2歳を過ぎて遊びたい盛りの息子はそうはいきません。パパを見れば
「遊ぼー!」とじゃれつく息子。夫は期待に応え、息子の体を飛行機に見立てて持ち上げたり、全身をくすぐったり。楽しい遊びにテンションが上がる息子は
「もう1回!」と遊びをねだります。しかし、夫にとって休日は趣味を楽しむ日でもあり…。出かける時間になるとそわそわし始めます。すると息子は「パパがいなくなる」のを察知。すかさずドアの前に立ちはだかり…。
「パパ出かけちゃ嫌だ! 行かないで!」と、出かけたい夫 VS もっと遊んで欲しい息子のバトル勃発です。しかし息子は毎回強制的に退かされ、夫の勝利。息子は私に抱っこされながら
「パパー! ヤダー!」と泣き叫びます。
「パパが帰ってきたらまた遊べるよ」となだめる私も大変でした。
息子はパパを突き放す
私は夫に
「息子もまだ手がかかるし、少しだけ趣味の時間を減らせないかな?」と相談しましたが、変化はありません。夫が趣味に出かけようとするたび、息子は泣き叫んで止めようとします。
状況に変化が出たのは、息子が小1の頃。夫が趣味で出かけようとしても息子は
「いってらっしゃーい」と言うだけで泣かなくなりました。息子の好みが「体を思いきり使う遊び」から「ゲームや漫画を描く遊び」に変わったことが関係しているのでしょうか。
夫が出かけた後、私は何気なく
「最近、パパが出かけても泣かなくなったね?」と息子に尋ねてみました。すると息子から衝撃の一言。息子は何気ない調子で
「ああうん、もうパパに興味なくなったからいいよ」と言い放ったのです。
立場逆転? ご機嫌取りのパパ
「興味を持たれていないのは、さすがにまずいのでは?」と思った私は、息子の発言を夫に伝えました。夫は
「え… それは… びっくりだよ」とかなりショックを受けた様子。
息子は小学校に入ってから習い事が増え、夫とすれ違うことが多くなりました。夫と息子は顔を合わせれば普通に話すし、ふざけあって笑っていたので、まさか息子が「パパに興味がない」と思っていたとは。息子の衝撃発言後、夫の行動が少しだけ変わりました。自宅から遠いサーフィンやスキーに行く機会を減らし、近所のジムに多く通うようになったのです。
移動時間の短縮により、夫が家にいる時間も増えました。家にいる時間の夫は、息子の宿題を見たり、息子と一緒にゲームをしたり。特に息子は、夫が子ども時代にやりこんだゲームを一緒にプレイできるようになったことを喜びました。一時は
「パパに興味がない」と言った息子ですが、ゲームを通じて父親と一緒に遊ぶ楽しさを再発見した様子。
「パパすごい上手い!」と、夫を尊敬の眼差しで見るように。夫は父親としての立場を取り戻しました。
子どもの世界はだんだんと広がります。考えてみれば、わが子に構ってもらえるのも生後十年くらいなんですよね。息子に「興味ない」なんて寂しいことを言われないよう、一日一日を大切に過ごしたいなあと思うのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)