創業50年以上の名店の秘密に迫る企画【老舗探訪】。 今回は、創業107年、「新三浦 博多本店」をご紹介します。
創業から守り続けられてきた製法 新三浦の『水だき』のスープは小さな奇跡。創業から107年にわたって、一度たりとも製法を変えていません。 まず、鶏ガラを強火で実に10時間以上煮込み、エッセンスをとことんまで抽出。これに新鮮な鶏のぶつ切りで炊いたスープを合わせるのです。五代目店主の白井俊正さんは「この方法によって、あっさりしていながら、その奥に深いコクのあるスープが生まれるんです」と語ります。
受け継がれるのは職人の魂 そのまま飲めるほどに酸味が優しく、甘みが強いポン酢も50年以上同じ製法を守ってきました。 ベースとなるのは大分県産のカボス。熟して苦みが出る前に収穫し、手作業で1年分を絞ります。あえて手間暇のかかる調理法を選択するのは、職人の技と魂を伝承するために他なりません。白井さんは「言わばこの伝統の製法こそが新三浦。だから決して変えられないんです」と少し照れくさそうに微笑んでいました。 老舗のひとこと 博多伝統のおもてなし料理として、水炊きの全国的な認知度をもっと高めるための活動も、新三浦の使命だと考えて取り組んでいます。 5代目・白井俊正さん 《新三浦 博多本店》 福岡市博多区石城町21-12 TEL/092-291-0821 営業時間/12:00~15:00、18:00~22:00(最終入店20:00) 定休日/日