「妻だけED」という言葉をご存じでしょうか。 妻以外の女性には欲情するのに、肝心の妻にはピクリとも動かず、セックスレスになってしまう夫婦が、密かに増えています。 けれど、セックスを拒否するのは、男性だけでしょうか?女性もまた、旦那と肌を重ね合わせたくない理由があるのです。 産後セックスレスで、潔癖症になってしまった女性が、その理由を激白してくれました。
仲が良かった友人夫婦に異変が…
遠距離恋愛を実らせて、結婚後すぐに可愛い息子を授かった友人。今は1才の腕白な男の子に振りまわされる毎日です。そんな育児に忙しい彼女と久しぶりに会って、お茶した時のこと。
以前は、旦那にべた惚れだった彼女の様子がおかしいのです。
「息子のすべすべの肌に比べて、旦那の顔は毛穴が広がりすぎていて、正直見られない」
「掃除をしていると、床に落ちている毛が、全部旦那の無駄毛に見えてイラッとする」
「旦那の洋服と、私と息子の洋服は別々に洗う。だって旦那の下着とか気持ち悪くない?」
「産後はずっとセックスレス。そろそろ2人目が欲しいけれど、旦那と肌を重ねる想像をしただけでオエ〜! NO SEXで子どもを授かる方法ないかな」
冗談めかして言う旦那の愚痴にしては、本気すぎる…。あまりに続く、旦那批判の愚痴に見かねて
「元々、あなたは綺麗好きだったけれど、そんなに潔癖症だった? それにセックスレスも、ちょっと旦那さんがかわいそうかも…。レスが原因で浮気に走られても嫌だろうし、ほどほどにね」そうたしなめると、サッと彼女の顔色が変わりました。
みるみるうちに彼女の目は潤み、涙がこぼれないように、必死にこらえています。 慌てて
「ごめん! 傷つけたよね…。でも結婚前は、べた惚れだったじゃん。どうしたの?」と尋ねると、思いがけない言葉が飛び出しました。
「自分でも、レスと潔癖症をなんとかしたいの。でも無理。息子を出産してすぐ、入院中に旦那がお見舞いにきてくれて、『はやく息子くんとおうちに戻っておいで。一人じゃ寂しいよ』って言ってくれたの。こんなに優しいパパがいて、息子くんは幸せだなと思ったのに、その日の夜、旦那からLINEが入って…」
衝撃の事実!
彼女のこらえていた涙がぽろぽろとこぼれ、言葉がつまって出てきません。
「その旦那からのLINEが、たぶん誤送信で『来週には嫁退院。今週は家大丈夫だから来てよ。一人じゃ寂しいよ』って。私に言った言葉とそのまま同じ言葉を、誰か別の女の人に送っていたの…」
思いがけない告白と、苦しそうな彼女の様子に、胸を締めつけられます。
「間違いに気づいた旦那が『今の仕事仲間宛だから。男同士で家飲みしようって話してただけ』なんて言い訳LINEが沢山届いたから、私も浮気なのか確かめたり、旦那を責めることができなかった。でもあれ以来、自宅なのに、居心地が悪いし、旦那のことも信じてない。旦那を気持ち悪いって思ってしまう気持ちを克服したいけれど、どうしたらいいか分からない」
気づけば、話を聞きながら、私もまた涙を流していました。 ひとしきり泣いた後、友人は旦那と話し合うことに決めました。何の証拠もなければ、はぐらかされ、言い訳をされて終わるかもしれないと、調べているうちに、夫婦共有のPCで、旦那がLINEをしていることが発覚。そこには、浮気の証拠になるメッセージがいくつも残されていました。
しかし対決の当日、彼女は、旦那の浮気を責めることはせず、傷ついた自分の気持ちを全てさらけ出したのです。 結局、友人夫婦は離婚を選ばず、夫婦再生の道を探ることになりました。話し合いの末、友人が納得するまで、綺麗に掃除をするのも、旦那の衣類と母子の衣類を仕分けして洗濯するのも、旦那の担当になり、彼女の潔癖症が少しでも楽になるように協力することになったのです。もちろん、浮気相手とは関係解消。旦那は、職場での飲み会も減り、誤解を生むような行動はなくなりました。
そして今日… 久しぶりに彼女からメッセージが届いたのです。
「安定期に入るまで言えなかったけれど、赤ちゃんできたんだよー! 出産予定日は来年はじめだよ。弟か妹か本当に楽しみ!」 新たな命が、夫婦の絆をさらに強める、かすがいになることでしょう。
(ファンファン福岡一般ライター)