【福岡の常識】ピシャッと21時に時刻を知らせるおばあちゃんのCMがある!

旅行の楽しみに、旅先でローカルCMを見ることがあります。 登場人物や音楽などに強烈なインパクトを持つものが少なくありません。もちろん福岡のローカルCMもそうです。 その大関格なのが地元福岡の企業、辛子めんたいこ「福さ屋」のCM。 20年ほど前から続いているそうです。外国人のマイクさんとおばあちゃんの、こんな掛け合いで進行します。

出典:ファンファン福岡

マイク「おいしいですか?」 おばあちゃん「このうまさは食べんと分からん、分からん」 マイク「ん〜〜、味が」 2人「ピシャッと、ついと〜〜」 YouTubeにアップされているCMの公式動画を見るといくつかのバリエーションがありますが、おなじみは時報を知らせるものです。こんな感じ。 おばあちゃん「ピシャッとまるさがついとう辛子めんたいの福さ屋が、これまたピシャッと9時をお知らせします」(8時バージョンもあります) ここで画面が時計に切り替わり、2人の声が秒針の動きに合わせて 「3、2、1、ピシャッ」 ピシャッという威勢のいい声が、いかにも正確な時刻って感じに聞こえます。 ところが、2011年に「ピシャッと」問題が起きます。 テレビの地上デジタル放送への完全移行です。それに伴って、テレビから時報が消えてしまいました。 理由は、デジタル放送では多くの情報を送るため送り手の放送局側でデータの「圧縮」処理、受け手のテレビ側で「解凍」処理を行うことから、アナログ放送に比べて映像や音声が遅れてしまうからです。 つまりピシャッと正確な時報が出せなくなったのです。NHKでは時計の秒針が動いて正時(8時0分0秒のように端数のつかない時刻)を知らせる映像は無くなりましたし、画面の左上に表示される時刻がゆっくりと変わるようになったのもそのためです。 じゃあ、福さ屋の時報CMも無くなったのかって? ご安心を。いまも放送は続いています。 どうやって正確な時刻を合わせているのか、あるいはそこまでの精度を求めていないのか。実際に、電話の時報サービス(117番)と比較してみました。結果は…CMの方が約2秒遅く正時を指しました。 考えてみればスマートフォンやクオーツ時計、電波時計が普及している時代に、テレビで正確な時刻を知る人は多くないでしょう。でも時報の役割は終えたとしても、かつてテレビが時計がわりだった時代を示す生き証人として、これからもCMは続いていってほしいものです。

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