「福岡」と「博多」は地元の人にとっては大きな違いがあるのをご存知ですか?
■福岡と博多は別々の都市だった!? 福岡市の表玄関なのになぜ「博多駅」なのか? 福岡市を代表するお祭りがなぜ「博多祇園山笠」「博多どんたく」なのか? 福岡の方言がなぜ「博多弁」といわれるのか? 福岡市を拠点としていたのになぜ「博多華丸大吉」という名前なのか? 福岡と博多の違い、きっと他県民にはわからないことだらけでしょう。 全国ネットのテレビでは、時折「博多市」などと間違えてテロップを出すこともあるらしいですが、福岡と博多の区別はちょっとやそっとじゃ理解できないだろうと思います。 歴史を紐解いてみると、福岡と博多はもともと異なる都市圏を構築していたことは皆さんご存知でしょう。 古くから海外との貿易都市として栄え、商人の街として発展してきた「博多」。関ヶ原の戦い以降、黒田如水・黒田長政親子によって築城された「福岡城」を中心に城下町として栄えた「福岡」。 明治維新を迎えるまで、那珂川をはさんでこの2つの町が一つの経済圏として存在していたのです。 ■もしかしたら「福岡県博多市」になっていたかも? 時は1889年。市町村制度の施行に伴い市の名前を決定する際、かなり激しい争いがあったと聞きます。 「福岡市」にするのか「博多市」にするのか、あるいは2つの市に分かれるか。 結果的に1票差で「福岡市」と決定したのですが、その際、街の顔となる鉄道駅の名前を「博多駅」にすることで決着させたという説もあります。 とはいうものの、もしこの時点で「博多市」が勝っていたら、今頃「福岡県博多市」となっていたかと思うとなんだか不思議な気分になりますね。 実は「福岡市」に決定後も、何度か「博多市」に変更しようという動きはあったそうです。しかし、結局そのまま「福岡市」という名称が定着し今日に至ります。 ■今でも福岡と博多を混同?する他県民 ただし、冒頭でいった通り、福岡と博多を混同する人は非常に多いのです。 特に新幹線開業以降、博多という駅名が全国的に有名になったために、博多というのは福岡市の別名だと思っている人も多いようです。 また、「福岡」だけだと県なのか市なのかわからないので、福岡市に行く場合「博多に行く」という年配者もいます。
旧博多エリアだけを「博多」と定義しこだわる人も多いこの名称、いろいろ混同される要因にもなりますが、福岡愛に溢れる皆さんならきっと上手に使い分けられるはず!?