私は息子を出産し、育休を経て職場復帰をしました。今でこそ、バリバリ働き育児と仕事を何とかこなしていますが、保活(保育園入園のための活動)ではたくさんの葛藤が続きました。しかし、保活中に一人悩んでいた時、ある保育園の見学会で、私の背中をそっと押してくれる出来事が!これは、思わず感動してしまった保育園見学のお話です。
ママの葛藤
息子が1歳半になる頃、私は保活をスタートしました。保育園への入所を希望する場合、私が住む地域では必ず保育園見学をする必要があります。
家の近くには比較的多くの保育園がありました。日頃から息子との散歩中にいくつかの保育園はチェックをしていたので、見学受付がスタートしたらすぐに申し込み。
私は全部で7つの保育園を見学しましたが、色々な園を見るうちに、自分の中でモヤモヤとした気持ちが生まれてきてしまいました。
私は息子を出産後、一日たりともそばを離れたことがありませんでした。どんな時も一緒にいた息子と離れてしまうことが、当時の私には全く想像できず、息子に寂しい思いをさせてしまうのではないか… という気持ちが生まれてきたのです。
自分のキャリアを諦めたくない気持ちもありましたが、息子の成長をそばで見守りたい気持ちの方が強く、保育園に息子を預けることに迷いが生じてきてしまったわけです。そのうち保育園に預けること自体に罪悪感を覚えるようにまでなっていきました。
温かい言葉
自分の中で答えが出ないまま、なんとなく続けていた保育園見学。いよいよ申し込みをしていた最後の見学会となり、息子を連れて保育園へ向かいました。
その保育園は自宅から近く、園児たちが仲良く散歩をしている光景を何度か見かけていました。子どもたちがニコニコしている様子を目にしていたので、見学を希望しました。説明会では、園の方針や毎日の過ごし方の話があり、最後に園を代表して園長先生から話がありました。
「皆様の中にはお子さんを預けることに葛藤されている方がおられるかもしれません。子どもを置いて、仕事へ行くことに後ろめたさを感じている方もいるかと思います。それでも是非、胸を張ってお仕事に向かって下さい。」
「そのお母さんの背中をお子さんは必ず見ています。大事なお子さんは私たちが守り、出来る限りお母さん方のサポートをしたいと考えています。」
とても穏やかな口調で話された園長先生の話は、そっと私の背中を押してくれる内容でした。ただの説明会だと思っていた私は、思わず感動してしまいました。
園長先生もワーママだった
先生の話は続きます。園長先生も、かつてはワーママだったそうです。 園長先生の時代は、女性が育児をしながら働くことに、今よりも理解が得られなかった時代。それでも仕事が大好きで自分の子どもを育てながら仕事をしていたと言います。
かつての園長先生も、私と同じ悩みを抱えていたそうですが、わが子に胸を張れる自分でありたいという気持ちで仕事と育児を両立してきたとのこと。
だからこそ、私の悩みに寄り添うような言葉が胸に響き、私は思わず感動してしまったのだと思います。
「息子が保育園で頑張る間、私も仕事を頑張ろう!」という清々しい気持ちで保育園見学を終えることができました。
現在息子は、その園長先生の保育園でお世話になっています。いつもお迎えにいくと
「お帰りなさい」と笑顔で迎えてくれる園長先生。あの時の言葉を胸に、私はいまでも毎日の仕事や育児を頑張ることが出来ています。
(ファンファン福岡公式ライター / kashiwagihahiira)