同じ福岡市内の繁華街でも天神と博多駅周辺は趣きが違います。 大雑把にいえば、天神は「お買いものの街」。博多駅あたりは「ビジネスの街」ってとこでしょうか。 6年前に新装なった博多駅前からキャナルシティ方面に直進する道が、文字通り「博多駅前通り」。1年前には、地下鉄工事の道路が陥没したことで有名になった通りでもあります。
その通り沿いになるオフィスビルの地下に店を構える「日本料理 桐壷」。私、2年前からずっと気になってた500円の昼定食。ようやく本日、めでたくいただくことに成功しました。いやあ、2年待った甲斐がありました。
なぜ、私が2年間食べられなかったのか。それは、11時半から始まるランチタイム、わずか30食限定なので、あっという間に売り切れ、無くなっちゃうからなんです。 なかなか食べられないとなると、逆に無性に欲しくなるのが、人間の性(さが)。12時に会社を出てたらありつけないこと確実なので、きょうは11時過ぎに近くの商工会議所近くで用事を作り、満を持して「桐壷ランチ狩り」に出ました。 ******************************* 用事を済ませ、11時50分。小走りに店に近づくと・・・、
おっ、貼り紙が。これはまだ残ってるのかも。
はやる気持ちをおさえ、階段を踏み外さぬよう、降りて行きます。
おっ、「完売しました」が無い。これは、私の勝ちのようです。段取り力の成果。
いよいよ、突撃です。まあ、夜飲みに行ったことは3回ほどあるんですが。
「手動」。こういう世相に媚びない店にこそ魂が息づいているのです。 と、思いたい。
カウンターに陣取ります。水槽には、タイとアジが一匹ずつ。フグも見えます。オーソドックスな、王道の魚で勝負。ますますもって、けれん味の無い姿勢がうかがえます。 注文は無用、ランチしかありませんから。ここなら、職場の女性と一緒に行って、「メニューもなかなか決めきらん優柔不断なヤツ」と小馬鹿にされる懸念もありません。女々しい男の味方でもあります。
来ちゃいましたよん。出てくるのも早い。うれしかです。定食一本のシンプルさゆえの最高のサービスです。これで500円。男らしい価格です(女性のみなさん他意はありませんので、どうか流して下さい)。 一品一品検証しましょう。
梅干し、刺身(昆布締めですかね)。そうそう、こういう付き出し的なものは、少しあるのが上品でよろしい。
これがメインの魚料理、鯛の味噌漬けですたい。あっさりした白身をいい感じで味噌が引き締め、これまた上品かつ滋味豊かな味わいですたい。やっぱ、タイは魚の王様ですたい。
急にあやしげな博多弁を使いよりますが、余談ながら、これが全国的にも有名な祭り「博多祇園山笠」の公式キャラクター。もちろんん、タイがモチーフです。
そして、こちらが肉料理のメイン。鶏肉と野菜と豆腐を卵でとじた煮物です。これがまた甘過ぎず塩辛過ぎず、絶妙の味つけ。見た目以上の実力、健康を顧みなければ、白飯が何杯でもイケルタイプです。 しかし、魚と肉のダブルメインディッシュとは、和食でありながら、フランス料理のしつらえ。これを「和魂洋才」というのかもしれませんぞ。
そして、油断して食べ過ぎてはいけない白ごはんとおつゆ。このお米がまた、一粒ひとつぶがくっきり立っていて、私好みの硬めの炊き上がり。うん、お米のおいしい店は、だいたい名店である、という私の論はきょうも当たってます。おつゆは、この写真では味噌汁のように見えますが、卵をといた澄まし汁です。ごはんを引き立てるいぶし銀のあっさりめの味です。 ってことで、全部いただくと、成人男性的には腹八分な感じかな。女性は十分お腹いっぱいでしょう。客層をみると、女性から男性、若い人年配の人、多種多様です。
テーブルのサラリーマン三人組もあっという間に平らげて風のように去っていきました。 つわものどもが夢のあと、です。そういえば、この席でお酒飲みましたね、以前。
いかん、あんまり長居してると、昼間から酒が飲みたくなる。ぼちぼち失礼しますか。 店を出て階段を上る頃には、八分めと思ってたおなかもちょうどいい程度にいっぱいになってました。これまた計算され尽くした分量。 しつこいようですが、ここのランチ500円です。 営業の人とか時差で昼食に出ること可能な人とか是非一度おためしあれ。 夜は夜で、4千円から飲み放題コースあり、静かにくつろげますよ。 日本料理 桐壷 福岡市博多区博多駅前3-27-25 第二岡部ビル地下1階 電話 092(483)8140 月~金 11:30~13:30 18:00~24:00(ラストオーダー23:00) 土日は、予約のみ夜営業