産後すぐに保育器に入った次男。 当時、次男のために私ができることと言えば、絞った母乳を届けることくらい。せめてこれだけは頑張ろうと決めた私は、母乳の分泌を増やすため、毎食ご飯を2膳以上食べ続けました。その結果、母乳は十分足りるようになったのですが…。卒乳後にまさかの展開を迎えた体験談です。
妊娠8カ月で生まれた長男
妊娠8カ月の時に突然逆子になった次男は、逆子と診断された翌日、突然お腹から出てこようとしました。尋常でない痛みに体が震え、夫に抱えられるようにして産院に駆け込むと、
「もう、足が出てしまっているから、今日出産するしかありません」 とのこと。すぐに救急車で大きな病院へ運ばれて緊急帝王切開となったのでした。
そして、生まれたばかりの次男はそのまま新生児集中治療室に入院。体が小さく、自分で呼吸をすることさえ困難だった次男は、たくさんのチューブにつながれて保育器に入っていました。
赤ちゃんが目の前にいるのに、抱っこすることもできないという現実。当然、直接母乳をあげることもできません。次男のことがかわいそうで、それ以上に自分が情けなくて、保育器の前で1人で泣いていると、看護師さんが声をかけてくれました。
「お母さんの初乳は早産の赤ちゃんにはすごく大事なので、もしきつくなければ搾乳して持ってきてくださいね」
それを聞いた私は、
「今、自分にできることはこれしかないんだ!せめて、おっぱいで繋がりを感じてもらいたい!」と、奮起。母乳を絞ることに執念を燃やした私は、その日からひたすら搾乳第一の生活に突入しました。
毎日少しずつ、必要な母乳量が増えていく次男に合わせ、母乳の分泌もどんどん増やさなくては。その時の私は、追いつめられていたこともあり、およそ母乳に良いと言われていることは全て試しました。
その中でも、効果的だったのは、「毎食、白いご飯を2膳以上食べる」です。とにかく、母乳の材料を摂らなければ、出るものも出ない!
母乳第一の生活!
朝ごはんから、多めに盛ったご飯をお代わり。昼ごはんは、母乳の出が少なくなる夕方の搾乳に備えて、ご飯をもりもり。夕ごはんは、夜間の頻回搾乳に備えて、2膳、もしくは3膳のご飯をペロリ。
食べたら食べた分だけ母乳となって出ていくので、これだけ食べていても、すぐにお腹が空いてしまいます。体重もむしろ減ってしまったほど。おかげで、母乳の分泌は十分すぎるほどになり、新生児集中治療室の冷凍庫の大半を息子用の母乳パックが占めるように…。
長男が新生児集中治療室から新生児治療回復室へ移り、その後退院しても、私の搾乳生活はまだまだ続きました。そして、次男が2歳になるまで途切れることなく母乳の分泌は続き、無事に卒乳となったのでした。
ところが…
卒乳後に大変なことに…
授乳期にひたすらご飯を食べすぎたせいか、卒乳しても急には食事量を減らすことができません。胃が大きくなってしまったのに加え、育児に追われてご飯ものを慌ててかきこむ毎日を送っているうちに、みるみる体重増加。あっという間にたるみまくった「おばさん体型」に!
これはマズイ! 慌ててダイエットに踏み切りましたが、産後ボロボロの体での運動は厳しく、食事制限も進まず… それでも鏡に映った自分の姿を見てなんとか気持ちを奮い立たせ、多少の体重を減らすことはできたものの、未だに妊娠前の体重には戻れていない私です。
産後の体型の変化って、産後すぐから始まるものだと思っていました。授乳中には体重が増えなかったので、「体型変化?まだまだ大丈夫!」なんて思っていたのですが…。
卒乳してからこんなにシビアに押し寄せてくるものだなんて。本当に怖いのは「卒乳後」だと、まざまざと思い知らされたのでした。
(ファンファン福岡一般ライター)