「おたくの席ちょうだい!」新幹線で指定席をクレクレする強引ママ

 子連れの長距離帰省はとても大変。だからこそ指定席を取り、かつ普段は未就園児で運賃がかからない子どもの分も購入するお母さんが多くなっています。指定席料金は痛手ですが、子連れ帰省の必要経費と思っていた私が、その指定席を巡って出会った驚きの体験です。

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新幹線に乗車してみると…

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 とある連休、帰省のため当時幼稚園年少だった息子と私で新幹線の指定席に座っていました。 東北から関東までの長距離だったので、普段は運賃のかからない息子の分も子ども料金を支払い、2席指定席を取っていました。

 ちょうど一緒の駅で、息子よりも小さい子ども2人を連れたお母さんが乗りました。 私たちの席を通り過ぎ、しばらくすると、後ろから子ども2人の騒ぐ声とそれをいさめる声が。
 隣の息子も今は成長して大人しく座ってくれるようになりましたが、小さい時の帰省は大変だった事を思い出し、「小さい子がいる帰省は大変だよなあ」と考えていました。

 ところが、なかなか子ども2人の声が収まりません。大変そうだなと思いながらちらっと後ろを見ると…。 何と1席に子ども2人が座り、お母さんは通路に立っていたのでした。 どうやら指定席は1つしか取っていない様子。

 「ちょっと! 大人しく座ってて!」とお母さんが怒り、子どもたちは立ち歩いたり騒いだりの繰り返し。 お母さんは文句を言ったりため息をついたり、その間も通路を人が通るたびに
 「ごめんなさい狭くて!」と大声で聞こえるように言っていました。
 「あ~子ども2人いて席が1つしかないなんてつらいな~」 そんな事を言いながら、こちらをチラチラ見ている様でした。 その後、
 「ちょっとここにいて」と聞こえた後、お母さんが私たちの所に来てこう言いました。

驚愕の要求とは?!

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 「すみません、席交換してくれません? そちらは子ども1人ですけどこっちは子ども2人いて、席が1個しかないんです!」 まくしたてるようにお母さんは話し続けます。

  「子ども2人かかえて余裕なくて、指定席も1席しか買えないんです。そちらは子ども1人だけですから余裕ですよね?」とまで。交換、という言葉ながら実際は席をよこせという要求にビックリ!

 こちらはきちんと料金を支払っているのですから。「困ったな、車掌さん呼ぼうかな」と思っていた所、新幹線は次の停車駅に。 隣に座っていた息子が
 「あっ! お父さん! お兄ちゃーん!」と立ち上がり、こっちこっちと手を振ります。

 実は私の隣に座っていた息子は次男。長男が隣町で行っていたヒーローショーが観たいと言ったので、先に夫と長男で出かけていたのです。

 次男はヒーローショーに出てくる怪人を怖がってしまうので私とそのまま最寄り駅から乗車、夫と長男とは新幹線内で待ち合わせをしていたのでした。

 私たちの前方に購入しておいた指定席2席に座り、向かい合わせにセット。 夫が買ってきてくれた駅弁を広げて長男が興奮しながらヒーローショーの話をする頃には、すでにあのお母さんの姿はなくなっていました。

(ファンファン福岡一般ライター)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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