バレンタインといえば、好きな男の子にチョコをあげて想いを告げる日… と思っていたのですが、今の小学生は少し事情が違うようです。いつのまにか登場した「友チョコ」という文化。それは子どもにとってはうれしくても、親にとっては恐ろしい文化のはじまりだったのです!
イマドキ小学生のバレンタインデー
娘が幼稚園のころから、少しずつ耳にするようになった「友チョコ」。バレンタインに男の子だけではなく、仲のよい女の子同士でチョコを交換するというものです。
最初はほほえましく見ていたこの光景も、学年が上がるにつれて大変なことになっていったのです。 幼稚園のころは4~5個ですんだ友チョコ。小学校に入ると、友達の数もぐんと増え、毎年15個ほどを準備することに。友達が増えてよかったわね~なんて余裕があったのはここまで。
その数は毎年増え続け、5年生になった頃には、クラスの女の子12~13人に、所属しているバスケ部のメンバー20人、近所の仲良しさん5人、習い事のお友達6人、そしてもちろん気になる男の子たち5人にも渡したいと言いだしました。
なんということでしょう! 家族分もふくめると、50個以上用意しなければいけないではありませんか!
友チョコの暗黙のルールとは?
そして、やっかいなことに、「友チョコはてづくりで」という暗黙のルールが存在するのです。
もちろん、小学5年生の娘が一人でそんな数を作れるはずもなく…。 なにを作るのか、どうやって作るのか、からはじまって、調理中のサポート、チョコだらけになったキッチンの後片付けやラッピングの仕上げはもちろん母の仕事。
バレンタイン当日、たくさんのチョコをもらってウキウキで帰ってくる子どもたちを横目に、母たちはぐったりです。
来年は6年生。ここで先輩ママたちより恐ろしい情報が。
「卒業を間近にひかえた6年生では、女の子たちはクラス全員と先生に友チョコを配るのよ~」 なんですと!
クラス全員ということは、それだけで35個前後、必要ではないですか! そういえば、バスケ部でも6年女子が男女メンバー全員にチョコを配っていたような…。(メンバー全員となると、38個…)
全部で100個ほどのチョコを、夜中の2時くらいまでかかって作っていたそうな。もちろん、母は眠い目をこすりながらおつきあい。 そんなにたくさん配って、本命の男の子には気持ちが伝わるのか? そもそも、バレンタインって何の行事だ? という疑問をもちつつも、時代の流れには逆らえず。
ああ、恐るべきバレンタイン。恐るべき友チョコ。たった一人の意中の人に、こころをこめてチョコを作っていたあの頃が懐かしい。 わが家には、来年1年生になる女の子がもう一人いるという事実はもう忘れたいです。
(ファンファン福岡一般ライター)