新型コロナウイルスの休校期間の影響から、わが子の小学校では3学期制から2学期制へ変更になりました。今年の夏休み前日、ことの大変さに気づき大慌てで帰宅する娘。2学期制になっただけですが、娘には大問題だったのです。
小学校が2学期制になった
わが家には小学4年生の娘がいます。娘の通う小学校はずっと3学期制でした。しかし、新型コロナウイルスによる春の休校期間の影響で、成績の評価を付けることが困難という理由から4月~9月上旬が前期、9月中旬~3月が後期の2学期制が導入されました 。その後も業務削減ということで2学期制は継続されています。
保護者としては「先生たちも大変ね」と思うぐらいで、特に気にすることもありませんでした。娘も
「2学期制は、前期と後期なんだよ!」と新しいことが始まるワクワク感からか、たいした疑問をもつことなく、いつも通りの1年を過ごしました。
娘が慌てた理由とは?!
2学期制が導入された翌年の7月、夏休み前日のこと。娘が大慌てで帰宅します。その日は、3学期制の頃だと終業式で通知表が配られる日です。しかし、2学期制になったので通知表は配られません。
帰宅した娘は突然、
「ママ! 通知表は配られないんだよ! 1年間で2枚しかないんだよ!」と言い出しました。2学期制になったのだから当たり前なのに、すごく大変そうに話してくる娘。理由を聞いてみると
「だーかーらー! 通知表が2枚なの。千円減るの!」と。「千円減る」でピンッときました。
わが家の伝統「がんばったで賞」
娘が慌てる理由は「がんばったで賞」に関係します。「がんばったで賞」とは、私の実家独自の制度で、通知表をおばあちゃんに見せると千円のお小遣いがもらえるのです。
通知表を見せるだけで千円をもらえるという、子どもにとってはおいしいお小遣稼ぎ 。私が子どものときも、祖母に通知表を見せると同じようにお小遣いをもらえるので、ルンルン気分で祖母の家へ行っていました。
母はそれを受け継いで孫たちに「がんばったで賞」をしてくれています。
つまり、通知表が2枚になる…ということは年間三千円だった「がんばったで賞」が二千円になるということなのです。すると娘は
「いいこと思いついた!」と、早速おばあちゃんに電話をします。
「学校が勝手に2学期にしたから、1回千五百円にならないかな、どう?」と。おばあちゃんの返事は
「それは変わりません! 1回見せるたびに千円です」とハッキリと言われ肩を落とす娘…。
残念そうに電話を切って
「なんか損した気分。通知表だけでも3枚くれんかな…」とぶつぶつ呟いていました。
千円の大切さに気づいた娘
残りの小学校生活の年数を数え、更に絶望する娘。私が
「考えても変わらないから、考えるのやめたら」と言うと
「そうだね。他のところで頑張って稼ぐよ。千円稼ぐのって大変なんだね」とがっかりした様子で呟いていました。
お財布事情にかかわる問題と発覚してからも、通知表をおばあちゃんに見せるときはニコニコと嬉しそうな娘。千円減っても、お小遣いがもらえる喜びは変わりありません。もらった千円を貯金箱にいれながら
「増えたのは嬉しいけどね…!」とボソっと呟いていました。
その後、お小遣い稼ぎのため家のお手伝いにも励んでくれるようになりました。しかし、お手伝いでは1回につき十円~三十円ほどしか稼げません。千円までは長く険しい道のりになりそうです。
3学期制から2学期制になることが、娘にとってはお金を貯めることの大変さを痛感する出来事となったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / ユズキ)