福岡市地下鉄薬院大通駅から徒歩約6分、薬院六つ角交差点の近くに店を構える「萬鳥(ばんちょう) 薬院店」(福岡市中央区)は、2020年11月24日にオープンしました。店主の高﨑賢司さんは、人気焼き鳥店「鳥次」(同)、ミシュランガイド一つ星の和食店「しらに田」(同)で経験を積み、「萬鳥 祇園店」(福岡市博多区)の店主を5年務めた後、この2号店を開きました。
ワインがそろいデートにもぴったり、ランチやテークアウトも
「萬鳥 薬院店」は、焼き鳥とフレンチやイタリアンの創作一品料理を組み合わせた福岡では珍しいスタイル。焼き鳥と和食を合わせた祇園店との違いを出したかったといいます。 「食鳥処理衛生管理者」の国家資格を持つ高﨑さんは、毎朝、いい状態の丸鶏をさばいて串打ちし、新鮮な鶏を提供することにこだわっています。現在仕入れているのは熊本県産の鶏。鶏の品質を見分けるためには、「さばく数をこなしていくしかありません」と話します。
さらに「丸鶏を使うので希少部位を提供できるのが強みです。コースでじっくり味わうのがおすすめです」と続けます。 いくつかのコースの中でも人気なのが「焼鳥COURSEひととおり」。季節の一品、自家製サラダ、おまかせの串を堪能できます。「蕾(つぼみ)5種、2,700円」「寧(ねい)7種、2,900円」「華(はな)9種、3,500円」の3種類があります。5種コースの場合、メインになるのは、さび焼、砂肝、ねぎ巻、テール(ぽんちり、またはみさき)、だんごです。
どのコースにも必ず入るのが「だんご」。つなぎを入れない鶏100%で、ボリュームも満点。「つくねというより、肉汁たっぷりのハンバーグに近いですね」と高﨑さん。土佐備長炭のむらのない強い火力で短時間焼くことで、うま味を閉じ込めることができるそうです。
ミンチには鶏の部位がまんべんなく入っているため、ふわっとしていながら、しっかりした食感もあります。「シンプルに塩だけか、何もつけずにどうぞ」と味わいにも自信をのぞかせます。「熱々で味わってほしい」と、それぞれの食べるペースに合わせて目配せして焼く配慮も忘れません。
店内は、木を基調としていて温かみがありながらも洗練された雰囲気。BGMにはジャズが流れています。テーブル席は全て木の枠で仕切られているので、デートなどにも重宝しそうです。 「串1本1本を楽しんでほしいと思います。ワインをゆっくり飲みながら味わってください」と高﨑さん。焼き鳥に合うワインも豊富にそろっています。
フランス料理をはじめ、さまざまなジャンルの店を経験した種村慎二料理長が生み出す一品料理も魅力的です。 「料理に携わって30年近くになりますが、焼き鳥と洋風料理のコラボは珍しいですよね。店主とメニューを相談しながらお互いに刺激を受け合っています」と種村料理長。
おすすめは「スモークサーモンのチコリボート」(750円)。ペーストにしたスモークサーモンとクリームチーズを合わせ、マスの卵をのせています。「レバーパテ」(700円)にはドライフルーツが添えられています。
この日、「京鴨の山椒(サンショ)煮」(1,600円)にはバルサミコソースがかけられていましたが、料理は状況によって臨機応変に対応しています。「焼き鳥がタレものだったらソースでなく黒こしょうで仕上げるなど、注文された串とワインを見てソースを変更しています。レシピに決まりはありません」と種村料理長。
焼き場担当の店主と洋風料理担当の料理長が織りなす、手間を惜しまない丁寧な料理を楽しみませんか。ランチ営業やテークアウトなども実施していましたが、緊急事態宣言中の現在は休業中(2月内予定)です。3月には再開予定なので楽しみに待ちたいですね。 DATA 座席:32席(うちカウンター8席) 個室:なし 平均予算:6,000円
焼き鳥とワイン 萬鳥(ばんちょう)薬院店
住所:福岡市中央区薬院2-13-23 電話:092-406-8554 営業:12:00~14:30(L.O.)、17:30~23:30(L.O.) ※自粛期間中、2月内は休業 日曜休(祝日は不定休) インスタグラム@banchou824_yakuin