福岡ではよく「どこ中出身?」という話になりますよね。
■どこの世界にも学閥はあるものですが…。 東京でサラリーマンをやっていた頃、勤務していた会社には“学閥”がありました。 そこまで明確な差別があるわけではなく、なんとなく同じ大学出身者同士でつるむことが多いという程度でしたが、それでも「社長が早稲田だから早稲田出身者を優遇してる」だとか、「地方国立よりも六大学の方が出世しやすい」だとか、出身大学によってそれなりのフィルタがかかって人を見るような風潮はありました。 会社だけではなく、いろんな組織でこの学閥は影響力をもっていることは否定できません。ただし、この場合の学閥はあくまでも“出身大学”によるもの。 同期との会話や取引先との商談の場でも出身大学が話題になることが多いですよね。 ■「あんたどこ中?」ってどういうこと??? さて、我らが福岡市。もちろん、東京でいう“学閥”のような区別はあまり無いにしても、やはり卒業した学校の話題は定番です。 初対面の人と会話する街コン・合コンなどはもちろん、時にはビジネスの場においてもこう聞かれることは多いでしょう。 「あんたどこ中?」 他県の方は一瞬何を聞かれたかわからないと思います。 「中って何だろう中って・・・? 市とか町とかと同じように中っていう行政区分があるんだろうか・・・?」など、頭が混乱してしまうこと間違いありませんね。 実はこの質問、出身中学を聞いているのです。高校生ならまだしも、まさか大人になってから出身中学を質問されるなんて夢にも思いませんよね。 普通、聞いても大学か高校であって、中学を聞くことに何の意味があるんだろうか、そういう疑問を抱くことはごく当たり前です。 ■目的はコミュニケーション?仲間意識の確認?? なぜ福岡民は相手の出身中学を聞くのか? 筆者にもわかりません!(笑) でも聞いてしまうのです!いろいろな理由があるんですよ、多分。いちばん大きいのは共通の話題探しではないでしょうか。 中学の名前を聞けば、「〇〇中か!あそこ荒れとったもんね~」とか、「〇〇中やったら△△さんと一緒やん」とか、相手との何かしらの接点や共通項を見つけ出すことができます。
共通の話題をきっかけにして相手との距離を縮めていくのはコミュニケーションの基本。「あんたどこ中?」という質問をされたら、「あ、この人はこちらと距離を縮めたいと思ってるんだな」と解釈してよいのではないでしょうか。