初めての妊娠中、母乳は出るもの! と完全に思っていました。しかし思うようにいかず、退院してから母乳量を増やすための試行錯誤が始まったのです…。
全ては母乳のため!
母乳の出を良くするために、毎朝5時に起き、根菜類がゴロゴロ入ったみそ汁を作り、茶碗大盛り2杯の玄米を食べました。また、母乳アップ専用のハーブティを毎日4リットル飲み、体の冷えが良くないことを勉強し、徹底的に体を温めました。 しかし、子どもはなかなかお腹いっぱいになってくれず、吸い疲れて眠ってはまたすぐに目覚め、おっぱいを探すのです。 その繰り返しで、授乳間隔が30分空かない時も多々ありました。
1日のほとんどの時間が授乳で、肩凝りはひどく、乳首は切れ、乳頭保護具を使用しなければならないほどでした。
なかなか満足してくれない子どもに苛立ちも感じ始め、すがる思いで母乳外来へ行くことに。助産師のおっぱいマッサージや指導を受け、しばらく様子を見ることになりました。
しかし、週に1回ひと月通っても状況は変わらず、週2回通っても母乳量は増えなかったのです。この施設までは電車で一本、1回の費用は3000円程かかりました。体力的にも金銭的にも負担は大きかったものの、結果はついてきてくれませんでした…。
私は勝手に追い詰められ「母親失格だ」と、せきを切ったかのように泣き崩れました。 義母からは、
「(義姉)は、ご飯や水分をいっぱい摂って、色々気にしてやってたけどねー」と、悪気のない嫌味を言われたこともあります。
ママ会では、他のママたちが授乳ケープで授乳を始める中、私は哺乳瓶と水筒を取り出します。
「あ、ミルクなんだねー! 大変ね」と言われ、何とも言えない思いをしたこともあります。
追い詰められた私が気づいたこと
そんなある日、色んな感情が巡り、呆然としていると、そこにはわが子が天使のような顔で眠っていました。 この時私は、はっ! とさせられました。1番苦しい思いをしていたのは、子どもだったと気づいたのです。
お腹が満たされず、出ないおっぱいを一生懸命、吸い続けていた子ども… 疲れ果てて眠っても、空腹でまたすぐ目が覚めてしまう子ども… 抱っこしていても 、いつもおっぱいを探していた子ども… 申し訳ない思いでいっぱいになり、「なんということをしてしまっていたのだろう」と、涙が止まりませんでした。
私は3人の子どもを授かることができました。その度に助産師からは
「仕事復帰しないのなら母乳で頑張ってみて!」と勧められました。 でも、自分を追い詰め、まだ小さいわが子につらい思いをさせるくらいなら、私は完全ミルクで何の問題もないと思っています。完全ミルクで育った3人の子どもたちは、大きな病気もせず元気に成長してくれていますよ。
(ファンファン一般ライター)