目の前で交通事故!それでもお迎えを優先させようとする厳しすぎる保育園

 先日、夕方の混雑したターミナル駅で、パンプスをカンカンと鳴らしながら、階段を駆け上がる女性とすれ違いました。30代半ばの筆者と同世代のようで、持ち物からお子さんがいる雰囲気を感じました。エレベーターやエスカレーターに並ぶ時間さえ惜しいと、急いで向かう先には、保育園で待つお子さんがいるのでしょうか。

 彼女と同様に、働くママ達は、分単位で時間を気にしながら働いています。仕事がいくら山積みでも、保育園のお迎え時間が迫れば、仕事を切り上げて、会社を後にしなくてはいけません。  もちろん、仕事の都合で間に合わない、電車の遅延や乗り換えの失敗、車の渋滞など、予測外の出来事で、お迎えに遅れてしまうこともあるでしょう。追加料金が発生しますが、延長保育や、働くママだから…と、多少の遅れなら見逃してくれる保育園もありますが、友人Aさんが子供を預けている保育園は、そうはいきませんでした…。

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「もう少し、早くお迎えに来られませんか?」    保育士の先生の言葉に、またか…と苦い思いを隠しながら、Aさんは「いつもご迷惑をおかけしてすみません」と謝りました。今日は、最後のお迎えになってしまったようで、もう他の子供達もお迎えのママ達もいません。手早く帰り支度を整えながら、こんな言葉がのどをついて出そうになります。  「この保育園には、19時までの延長保育があって、閉園時間を過ぎているわけではないのに、どうしてここまで厳しくお迎えの時間を言われなくてはいけないのか…」  けれども、子供を預けているのだから、保育士を無駄に怒らせて、きちんと保育されなくなっては困る…。Aさんは、申し訳なさそうな表情を作ってから、その日の子供の様子を聞くべく、先生に向き合いました。  この保育園は、お迎え時間に厳しすぎる。そう気づいたのは、子供がこの保育園に通い始めてすぐのことでした。  勤務時間と通勤時間を加味して決まったお迎えの時間に、保育園に着いていればよいのかと思ったら、違うのです。

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 お迎えの時間までに、帰り支度を整え、先生からその日の報告を受けてから、タイムカードを押すシステムで、タイムカードを押した時間が、1分でもお迎え時間を過ぎれば超過料金がかかってしまいます。  お迎えが重なる時間帯は、報告を受ける保護者達の列ができ、なかなかタイムカードが押せないので、お迎え時間の15分前に到着しても、タイムカードを押せるのはギリギリ…という状態でした。  他の保育園に子供を預けて働くママ達から、お迎えの時間までにちょっと余裕があるから、夕飯の買い物をして保育園に向かうなどと聞くと、毎日会社から駅まで全力疾走しないと、お迎えに間に合わないなんておかしいと、腑に落ちない気持ちを抱えていました。

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 しかも運の悪いことに、同じクラスの子供達は、比較的早い時間帯にお迎えが来て帰ってしまうので、いつもAさんの子供は居残り状態。最後の方のお迎えになっていました。  先生達も「この子が帰れば、私達も帰宅できる」という状態だったからでしょうか。少しでも遅くなると「困りますね。Aさんのお子さんひとりのために、何人もの先生が時間拘束されるんですよ」と嫌味を言われる始末。  普段から5分前行動を心がけているAでしたが、この保育園に子供を預けるようになってから、時間にシビアになりました。  ある日のお迎えの時のこと。保育園はもう目の前という場所で、Aさんは、交通事故を目撃してしまったのです。すぐに警察に通報したところ、現場検証をしたいので、その場にいて欲しいと言われました。  保育園のお迎え時間まで15分。けれど彼女以外に事故の目撃者はいないので、その場から立ち去るわけにはいきません。仕方なく、保育園に電話をしました。  「今、保育園のすぐ近くで交通事故を目撃してしまい、警察の現場検証に立ち会うように言われたので、お迎えが遅れます」  するとまさかの言葉が返ってきました。

 「そうですか。お近くにいらっしゃるなら、先にお迎えに来られませんか?」  お迎えが最後の方で、ほとんどの子供が帰宅しているとはいえ、保育園が園児募集の際に提示している閉園時間には、まだ1時間もあります。多少お迎え時間が遅れたからといって、どうしていけないのでしょう。しかも自己都合で遅れるわけではありません。  もし保育園側の言う通り、事故現場から一時的に離れてお迎えにいったとして、遊び疲れた3歳児が、現場検証の間、良い子に待ってくれるでしょうか。「お腹すいたー!早くおうちに帰ろうよー!」と大騒ぎすることは目に見えています。  これまで、Aさんが押し殺してきた怒りの導火線に、パッと火がつきました。Aさんはもう苛立ちを隠すことなく「無理です。警察の方はもうすぐ来ますので」と伝えて、すぐに電話を切りました。  お迎え時間に厳しすぎる保育園に、すっかり嫌気が差していたAさん。数ヶ月後、保活に成功して、別の保育園へと転園しました。Aさん以外にも、転園した親子が何人もいたというのだから、余程だったのでしょう。現在は、多少の遅れなら見逃してくれる、お迎え時間がゆるい園に、Aさんの子供はのびのびと通っています。 (ファンファン福岡一般ライター)

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