長男が6年生だった頃のはなし。当時2年生の長女、幼稚園年長の次男、3歳の次女と、合計4人の子育てに奮闘していました。それまでは、「小さな子どもがいるから」という理由でPTAの役員は免除されてきましたが、最終学年の役員決めはそんな生易しいものではなかったのです。
6年生の役員決め
うちの小学校は全校生徒700人ほどの中型校。役員は1児につき1回が推奨されています。長男が小学校に入学してから、ずっと妊娠中、または赤ちゃん連れだった私は、5年間役員を免除されてきました。
そして、いよいよ最終学年6年生の役員決め。下の子3人を連れて懇談会に参加していたわたしに、仲良しのママ友たちは、
「うわー。大変やねぇ。役員なんてしなくていいよ。誰かほかの人にお願いすればいいから」と、言葉をかけてくれました。
「申し訳ないけど、ありがたいな」と思いながらはじまった懇談会。 ところが、役員決めがはじまったとたん、しーんと静まり返る教室。誰も立候補の手はあがりません。そう、長男のクラスはもう1児1回のお役目を終えた人ばかりだったのです。
司会の人が困って、
「2回目でもいいのでやってくれる方、いませんか?」と聞いてくれましたが、誰も2回目をしようなんて人はいません。一人っ子で身軽なママも、本部役員を経験したママも、さっきわたしにやさしい言葉をかけてくれたママ友も、みんな黙り込んでうつむいたまま。
沈黙にたえきれず、
「わたし、やります。まだ役員やってないんで」というしかありませんでした…。
手のひら返しにがっくり
結局、立候補がなかったほかの役員も、今まで役員をやっていない人の名前が読み上げられ、懇談会にきていない人もふくめて決定。わたしは、下の子3人を連れて、一番大変な最終学年の学級委員をやることになったのです。
こんなことになるとわかっていたなら、下の子が赤ちゃんの頃に、もっと楽な委員を引き受けてたのに!!
ママ友たちは、
「一番大変な人に委員があたっちゃって。なんでも手伝うからいってね」とほっとした表情で声をかけてくれましたが、もちろん何も手伝ってくれるはずもなく…。
卒業記念DVDの製作や、お別れ会、卒業記念品の準備など、下の子を連れての活動はやっぱりとても大変でした。今となってはいい思い出ですが、あの6年生の懇談会での冷たい空気はずっと忘れられません。
今年の役員決めはどうなる?
その後、少子化の影響もあって、「下の子が小さい人は免除」というルールはなくなり、今では下の子連れの役員会も珍しくなくなりました。
下の子たちの役員は、もちろんさっさと立候補して済ませました。 今年は長女が6年生。またあの空気を味わうのかと思うと気が重く、2回目の立候補を考えてます。
(ファンファン福岡一般ライター)