”スモモモ モモモ モモノ ウチ モモモ スモモモ モモノ ウチ” 早口言葉でおなじみのスモモですが、意外にケーキとか洋菓子には使われないんですね。
ネットで調べると、スモモは桃じゃないので、この早口言葉は間違いだとの指摘もあるようですが・・・。 すみません。話がそれました。 福岡の老舗洋菓子店「パティスリー イチリュウ」のパティシエ・納富大輔さんは、「素材としてスモモを意識したことは無かったですね。旬の期間が短いからでしょうか」と話します。 そんなスモモを生かした、「ひたむきなスモモタルト」と「ひたむきなスモモショトケーキ」の2種類のスイーツが、イチリュウの大橋店と九大学研都市店で販売されてます。出荷が終わる今月末までの限定になります。
上がショートケーキ、下の2つがタルトです。お値段は、いずれもひとつ486円(税込)。
アップにしました。これはタルト。おいしそうですねえ。
こちらがショートケーキです。上に乗ってるのがスモモです。 それにしても、なぜスモモが「ひたむき」なのか、不思議に思った読者もいらっしゃるでしょう。このひたむきには、大分県の「日田」の意味も込められてるのです。
今回使用したスモモは、日田市大山地区の農家さんの手になる果実です。そう、かつて「モモクリ植えてハワイに行こう」という言葉で知られた旧大山村です。 今年の西日本豪雨も激しいものでしたが、昨年7月の九州北部豪雨で、大山地区も相当な被害を被りました。福岡県の朝倉地区などとともに、日田市も複数の地域が大きなダメージを受け、今も復興途上ともいえます。 そんな日田の復興を促進し、少しでも地域の活力を取り戻そうと、日田市のみなさんは、一体となってさまざまな取り組みに汗を流しています。
南区の大橋店の前にて、納富大輔さん。彼を日田のスモモ生産者との出会いに導いたのは、地元FM局「LOVE FM(正式社名:ラブエフエム国際放送)」の太和田 基(たわだ はじめ)さん。放送局の社員さんながら、いろんな自治体のお仕事もされてて、昨年日田市から地元農業を紹介する情報誌(その名前が「ひたむき」!)の作成を請け負い、フェイスブック、インスタグラムでも発信してます。ちょいとのぞいてみてください ↓ https://facebook.com/hita.hitamuki/ 太和田さんは、生産者である農家と福岡の食に携わる事業者の間を取り持とうと、日々奮闘してます。
この方が、日田市大山の生産者・森 太志さん。被災からの復興を手助けしたいとの思いを抱いた太和田さんが、自ら大の甘いもの好きということで、まったく面識のなかったイチリュウに電話をかけ「大山の産品を使ったスイーツを作りたい」と趣旨を説明、その後実際に会ってみて詳しい中身に賛同した納富さんが、森さんの果樹園を訪ねることになります。 初対面の太和田さんに、納富さんは、「スモモを扱うことは考えたこともなかったけど、ワクワクする」と言われたそうです。
こちらが、果樹園での写真です。手にとって確かめたスモモの生命力に、「可能性」を感じたそうです。
しっかりとたわわに実り、みずみずしいです。
その場で手に取って口にする納富さん。期待感に満ちた表情ですね。
一週間ほどかけて試作品完成。
スモモをふんだんに乗せたタルト。
こちらがショートケーキ。いずれもいろどりがきれいで食欲をそそります。
有機肥料のみで育つ健康的なスモモの木の下で試食。最高のひとときですね。 見た目もかわいらしい赤い皮とその表面を覆う「ブルーム」と呼ばれる白い粉をそのまま生かして使うのが、イチリュウが今回開発したスイーツの魅力の一つです。
晴れて正式に商品化して売り出し、10日からショーケースに並びました。
2種類、ひたむきに並んでます。
大橋店の2階。清潔な厨房で作られます。
泡立て器を持つのは、パティシエの近藤真也さん。
にこやかな接客は、店長の白石ゆうこさん。
イチリュウは、創業1919(大正8)年。99年続くお店です。来年は、なんと100周年じゃないですか。早良区西新で修業ののち、飴玉を売るお店からスタート、和菓子屋さんを経て上のシャルロット・オ・ショコラなど洋菓子に、と変貌してきました。オーナーは、納富さんなのに、なぜ「イチリュウ=一柳」なのか?
結婚式などお祝いごとの引き出物でも名を成しました。
今回訪問した大橋店は、「よこて中央通り」が開通した7年前にリニューアル、まだまだ新しく清潔な店内です。
写真からもチームワークの良さがうかがえます。
西日本新聞の記事にもなりました。
販売は、出荷の終わる今月末までの予定。試してみたい方は、お早めにお店まで。