ママ友界の秋元康!?こんなママにご注意を!

 ちょうど一年前の春、娘(当時4歳)が、幼稚園の年中に進級し、新たなクラスで、そのママに出会ったのです…。

 娘が通う幼稚園では、毎年クラス替えがあり、始業式の日に新しいクラスの先生と同級生が発表されます。昨年の始業式、娘と手をつなぎ幼稚園の正門をくぐると、新しいクラス分けの名簿を持った親子達で賑わっていました。もちろん子どもが主役の幼稚園ですが、ママにとっても「新しいクラスで、ママ達と上手くやっていけるかな」と緊張するもの。

 名簿を手に保育室へ移動すると、顔見知りのママは1/3ほど。残る2/3のママ達の中に、そのママはいたのです。
 彼女は、始業式の日から異彩を放っていました。

 入園式と違い、進級するだけの始業式。ママ達の服装はラフな格好が定番で、保育室に集まったママ達もカジュアルな服装ばかりです。ところが彼女だけは、真っ白なシャネルのセットアップに華やかな夜会巻きで、みんなの視線を集めています。そしてその服装が表す通り、彼女は目立つのが大好きで、いつでも話題の中心にいたいタイプの人でした。
  「クラスのママ達で、LINEのグループを作りましょう」 始業式が終わった途端、彼女は周囲のママ達に声をかけ、LINEグループを作りました。

出典:https://www.photo-ac.com/

 「さっそく来週ママ達の親睦会をやりましょう。私が幹事を引き受けるわね」
 娘の通う幼稚園では、ママ達の親睦会や茶話会が定期的に開かれるのですが、いつもランチの予算1,000円ほどのお店を利用しています。ところが、彼女が主催した親睦会のランチは会費3,000円也。

 その時は、新学期の顔合わせを兼ねているから、ちょっと奮発しても良いかと、クラスのほとんどのママ達が参加しました。
 親睦会でも、話題の中心はもちろん彼女です。出産前は、イベントプロモーターで、フェスや音楽イベントをプロデュースしていたこと。今は仕事をセーブして、わが子のためにイベントを企画して、色んな経験をさせてあげたいこと。親睦会は、まるで彼女の独演会になっていました。

 その言葉の通り、彼女は、行事のたびにイベントを企画するようになったのです。七夕や、秋祭り、ハロウィン、クリスマス会…。彼女が主催するイベントは、二ヵ月に一度の頻度で催されました。子ども達が食べるお菓子や、ゲームの景品、遊び道具も準備するので、イベントのたびに、1,000円~3,000円の会費がかかります。
 「イベントの頻度が高くて、若干迷惑だけれど、彼女も準備で忙しいだろうし… 有り難いと思わないと」 そう考えていたのですが、実はこれには裏があったのです…。

出典:iStock.com/KEN226

 イベントを企画するのは彼女ですが、実際に準備するのは、同じクラスのAさんというママだったのです。Aさんは、ほがらかで人の良さそうな方でした。

 彼女は、Aさんを部下のように扱い、
 「これを買ってきて! 会場は、この店を抑えられるか聞いて。当日は、こんな風に進行して」と指示するだけ。Aさんは、その通りに準備していたそうです。けれど当日は、彼女が前面に出てくるので、Aさんが裏方に徹して準備をしていたことに、ほとんどのママは気づいていませんでした。  

 こうして一年間が過ぎ、三学期の最後にお別れ会を開くことになりました。張り切った彼女が、
 「ここでやりましょう!」と見つけてきたのが、会員制の屋内キッズプレイスペース。なんと会費は、1万円超えでした。

 その頃には、実際に準備しているのがAさんだと、周囲のママ達も気づき始めたのでしょう。イベントを主催する彼女ではなく、Aさんに直接
 「会費が高すぎる! 別の場所で」とリクエストするママ達が、後を絶たなかったのです。そこで、Aさんは別の遊び場をリストアップして、彼女にお伺いをたてることに…。すると、まさかの展開になったのです。

 「なぜ勝手なことをするの? 私の提案通りに動けないなら、降りてもらってもいいのよ?プロデューサーは、私なんだから!」  激怒する彼女を前に、Aさんは
 「単なるママ友と子どもの集まりなのに、プロデュース?! 秋元康かよ!」と思わず吹き出してしまったそう。
 神妙な顔をしようと努力しましたが、上司でもない、恩師でもない、単なるママ友に叱られている状況が、可笑しくなってきて、笑いが止まらず、さらに彼女の怒りを増幅させることに…。お別れ会を目前に、彼女とAさんの関係は、ジ・エンドになってしまいました。  

 今年、また幼稚園ではクラス替えがあり、Aさんも筆者も、彼女とは別のクラスになったのですが、彼女の噂はよく耳に届きます。  
 「また秋元P(彼女のあだ名)が、暴走してるよ〜。有名懐石の高額弁当をお取り寄せして◯◯だって!」
 彼女の下働きを脱したAさんが、クスクスッと笑いながら、話していました。

(ファンファン福岡一般ライター)

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