大分で撮影した映画「栞」 出演者と監督が語る作品への思い

出典:ファンファン福岡

◆榊原有佑監督「理学療法士の経験もとに映画を制作」  作品は理学療法士の経歴を持つ榊原監督が、自身の経験などをもとに製作しました。撮影は別府市の九州大学病院別府病院などで昨年6月に約2週間かけて行いました。  榊原監督は「長寿社会の今だからこそ、幸福を感じながら生きることが大切。そのために不可欠な、患者の機能回復を支える理学療法士を描きたかった」といいます。  主人公・雅哉は、患者と向き合う中で「自分に何ができるのだろう」と問いかけながら成長していきます。「今の日本は閉塞感が強いのですが、『生きやすく』『開放的』な世の中になるポテンシャルが大いにあると思っています。作品は主人公が希望に向かって一歩を踏み出す物語でもあるのです」(榊原監督)

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◆壇世理奈さん「葛藤を伝えるのが難しかった」  壇さんは福岡市内の大学を卒業後、日田市内のケーブルテレビ局に就職しました。しかし、タレントになる夢が忘れられず退職して福岡市内の芸能事務所の養成所へ。2016年に卒業し、現在は福岡市を拠点に、主に舞台で活動しています。  榊原監督は「お芝居では登場人物同士の関係性に合った芝居が求められます。先輩、後輩、仲の良い人物、仲の悪い人物に対して、その口調や話すリズム、距離感を微妙に変えることで、関係性は説明せずとも見えてくるものです。壇さんは、それが自然とできる人でした」と評価しています。  今回、榊原監督や大分県理学療法士協会の会員の指導を受けながら演じた壇さん。「発声など舞台との違いに戸惑いもありました。患者さんの思いと向き合うことの大切さや難しさ、そして理学療法士が抱える葛藤をどう伝えるかが難しかったです」と振り返りました。  壇さんは看護師を目指したこともあったそうです。「職場体験で現実の患者さんの生死に触れたときに、とても大変で私には務まらないと思いました。理学療法士の皆さんも、医師や看護師とはまた違った重いものを背負っていることが伝えられたらと思います」 ◆吉村しほさん「理学療法士の存在を認識してもらえたら」  吉村さんは「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」「なつやすみの巨匠」などの映画に出演した経験があります。子どものころからアトピーに悩まされ、人前に出ることが苦手だったそうですが、出産を境に症状が穏やかになったことで、「人前に出たい」という気持ちが強くなったそうです。「空飛ぶ~」の市民オーディションに応募し、合格したことが俳優への扉を開けたそうです。  今回は主人公・雅哉の母親役。雅哉が理学療法士を目指すきっかけとなる重要な役を演じます。「かなり衝撃的な場面を演じます。出演時間は短いですが皆さんの心に残るシーンだと思います」。  最後に吉村さんは「理学療法士はあまり表に出ない職業ですが、生きていく中で自分自身や家族が接することはあると思います。その存在を認識してもらえるだけでも意味がある映画です」と語ってくれました。

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◆榊原有佑監督「良い化学反応が起こった」  榊原監督は先日久しぶりに全編を通して観て、作品の手応えを感じたといいます。「編集時に何度も観ているのですが、時間をおいて初めて客観的に観れたと思います。その時に、ストーリーも展開も知っているはずなのに画面に引き込まれていき、自分が監督した作品とは思えない感覚に陥りました。同じことを何人ものスタッフ・キャストが話していました。これは初めての経験でした。きっと自分の感覚を超えたところで、良い化学反応が起こっていたからだと思います」  現在、次回作として「復讐劇」を執筆中とのこと。榊原監督は「赦すことの難しさや、償うことの途方のなさを、自分に嘘をつくことなく描いていきたいと思います」と話しています。これからの作品にも期待をしたいですね。   栞

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