「私の息子に殴りかからないで!」姑が、孫に激怒した理由とは

孫は目に入れても痛くない、と言いますが、果たしてこの言葉は真実なのでしょうか? 友人は断言します。「結局、腹を痛めて産んだ子供に勝る存在なんてないよ」と。彼女が、この結論に達したのには、理由がありました。

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帰省は約一週間

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 友人が、数年前のお正月休みに義実家に帰省した時のこと。義実家には、年の離れた旦那の弟が住んでいて、旦那から
 「弟は子ども嫌いだから、あまり子どもを近づけないで」と言われていました。

 彼女の子ども達は、3歳と5歳の男の子。わんぱくで好奇心旺盛、エネルギーの塊のような元気いっぱいの子ども達です。約1年ぶりに訪れた義実家の中を、あちこち探索し、姑や舅に甘え、無口な義弟にも興味津々の目で見ています。 1週間の滞在予定だったので、最初は子どもが義弟の部屋に入らないように気をつけ、そばに行きそうになると
 「そろそろオヤツの時間だよ」「外に遊びに行こうか」と促し、義弟の気に障らないように注意していました。

 けれども四六時中、見張っていることもできません。日が経つにつれ友人も気が緩み、気づいたら子ども達が義弟に話しかけていたり、すぐそばに近づいたりしていました。それでも、義弟から子ども達に、積極的に話しかけることはありませんでしたが、そこまで嫌がっている様子もなかったので「子どもに慣れてくれたのかな?」なんて思っていました。 その油断が、その後の事件につながってしまったのです。

夕食で事件発生!

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 義実家に滞在する最終日。家族全員で外食することになりました。子どもが周囲の迷惑にならないように、個室のあるお店を選びました。お店に到着して、個室に案内されると、3歳の下の子が
 「僕、○○くん(義弟)のお隣がいい!」と言い張ります。友人は
 「ママの隣においでよ」「パパが抱っこしてくれるって。パパのお膝の上に座ったら?」と提案しましたが、イヤイヤ期を引きずる3歳児は、断固として譲りません。

 義弟がどんな表情をしているのか、様子をうかがいましたが、嫌がっているようにも見えなかったそう。そこで
 「じゃあ、お隣にさせてもらってもいいですか?」と尋ねて、義弟の了解を得てから、義弟、3歳児、友人の順番で席につきました。

 ワガママが通った3歳児は、満足そう。料理がくるまでの間、暇を持て余した3歳児は、戦隊ヒーローの物まねをはじめました。最初はママに対して「やぁ!」と技をかけてきていたのですが、ママの適当なあしらいに物足りなくなったのでしょう。くるっと振り返り、横にいた義弟に
 「悪者めぇ〜! やっちゅけるぞ!」と殴りかかったのです。 3歳児のたいしたことのない力で、ポコポコ叩いたくらいだったのですが…。「あ! まずい!」と思い、友人が3歳児を止めようと、手を伸ばしたところ、怒鳴り声が響き渡りました。

「私の息子に殴りかからないで!」

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 「やめなさい! 私の息子に殴りかからないで!!」 怒鳴り声の主は、姑でした。目に怒りの炎をたぎらせ、孫を睨み付けています。そこで友人は、姑にとっては、孫よりも義弟の方が、ずっとずっと大事なのだと思い知りました。子どもの悪ふざけとはいえ、殴ってしまったことを義弟に謝罪し、最後の夕食は、気まずい雰囲気のまま幕が下りました。

 「孫を可愛がってくれていた姑だから、まさかあんなに怒鳴りつけるとは思わなくて、びっくりしたけれど、『孫よりも、息子のことが大事』って気持ちも分かる気がする。息子達が大きくなって、結婚して、どこかの娘さんが孫を産んでくれたとしたら… 孫は絶対に可愛い… でも息子は別格で大切なのよね」

 そう話す友人の言葉に、息子を子育て中の筆者も、思わず頷いてしまうのでした。

(ファンファン福岡一般ライター)

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